
この図の解説
この図はニューロン(神経細胞)1個を左から右への信号の流れに沿って描いたものである。まず中央左の膨らみが神経細胞体で、赤い核をもち、神経伝達物質などを合成する代謝の中心である。細胞体から木の枝のように四方へ伸びる短い突起が樹状突起で、他のニューロンから情報を受け取る入力側(求心性)にあたる。ここで注目したいのは、細胞体から右へ伸びる1本の長い突起が軸索で、興奮を次のニューロンや筋へ送り出す出力側(遠心性)だという点である。軸索を覆うオレンジ色のソーセージ状の構造が髄鞘(ミエリン鞘)で、電気的絶縁体として働く。髄鞘と髄鞘のすきまがランビエ絞輪で、ここで活動電位が発生し、絞輪から絞輪へ跳ぶように伝わる跳躍伝導が起こる。軸索の先端の軸索末端は次の細胞とシナプスをつくる。樹状突起では刺激の大きさに応じて膜電位が加算されるアナログ信号だが、軸索を伝わる興奮は大きさが一定で「全か無の法則」に従うデジタル信号である、という信号の質の違いが重要である。
学習の要点
- ニューロンは、入力を受ける樹状突起(求心性)、出力する軸索(遠心性)、代謝の中心である細胞体からなる。軸索は通常1本で枝分かれが少なく長く、末端でシナプスを形成する。
- 覚え方のコツ:「樹状突起はアナログ・加算、軸索はデジタル・全か無」とペアで覚える。入力は大きさを足し合わせ、出力は出るか出ないかの2択。
- 関連知識:髄鞘をつくるグリア細胞は場所で異なり、中枢神経では希突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)、末梢神経ではシュワン細胞が担う。髄鞘は伝達速度を速める。
- よくある間違い:活動電位が軸索全体で連続的に起こると思い込むこと。有髄神経ではランビエ絞輪だけで活動電位が発生し、絞輪を跳んで伝わる跳躍伝導により速く伝わる。
- 臨床応用:軸索が損傷しても細胞体が無事なら軸索は再生しうる。末梢神経では機能回復が期待できるが、中枢神経では再生線維がもとの経路を見つけにくく回復しにくい。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
有髄神経では、髄鞘と髄鞘の切れめである( )で活動電位が発生し、そこを跳ぶように興奮が伝わる跳躍伝導が起こる。
答えを見る
答え: ランビエ絞輪
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。