学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ R. 頭頸部の脈管・末梢神経 / Q1081

理由で解く 解剖学

Q1081 運動器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題36
問題
総頸動脈について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 左側は腕頭動脈から分枝する。
2 頸動脈三角でその拍動を触れる。
3 内頸静脈と伴行する。
4 甲状軟骨上縁の高さで内頸動脈と外頸動脈とに分かれる。
解答
正解1(左側は腕頭動脈から分枝する。)
解説
✓ 1. 誤り
左側は腕頭動脈から分枝する。
本肢が「誤っている記述」であり設問の正解となる。左総頸動脈は大動脈弓から直接分岐する(大動脈弓の第2枝)。腕頭動脈から分枝するのは右総頸動脈で、右鎖骨下動脈とY字に分かれる。腕頭動脈は右側のみに存在し、左側は大動脈弓から左総頸動脈・左鎖骨下動脈がそれぞれ直接起始する点が左右差として重要である。
✗ 2.
頸動脈三角でその拍動を触れる。
✗ 正しい。 この記述は正しい。頸動脈三角(胸鎖乳突筋前縁・顎二腹筋後腹・肩甲舌骨筋上腹に囲まれる)には総頸動脈の分岐部と頸動脈洞があり、体表から総頸動脈の拍動を触知できる代表部位である。
✗ 3.
内頸静脈と伴行する。
✗ 正しい。 この記述は正しい。総頸動脈は内頸静脈および迷走神経とともに頸動脈鞘(結合組織性の鞘)に包まれて下降する。頸動脈鞘内では総頸動脈が内側、内頸静脈が外側、迷走神経が両者の間後方を走行する。
✗ 4.
甲状軟骨上縁の高さで内頸動脈と外頸動脈とに分かれる。
✗ 正しい。 この記述は正しい。総頸動脈は枝を出さずに甲状軟骨上縁の高さまで上行し、そこで内頸動脈と外頸動脈に分岐する。分岐部は頸動脈三角内に位置し、起始部の膨大(頸動脈洞)を伴う。
ポイント
  • 右総頸動脈=腕頭動脈から、左総頸動脈=大動脈弓から直接分岐。甲状軟骨上縁で内頸・外頸に分岐し、頸動脈鞘内を迷走神経・内頸静脈と伴行する。
  • 覚え方のコツ: 「右は腕頭経由、左は大動脈弓から直行」。腕頭動脈は右側だけの存在。
  • 関連知識: 頸動脈鞘内の位置関係は「動脈内側・静脈外側・神経後方」。頸動脈洞(起始部膨大)は舌咽神経支配の圧受容器。
  • よくある間違い: 左右の総頸動脈がどちらも腕頭動脈から分枝すると誤る/分岐の高さを甲状軟骨下縁と誤る。
  • 臨床応用: 頸動脈分岐部は動脈硬化プラーク好発部位で、頸動脈ステント・内膜剥離術の対象。頸動脈雑音聴診は脳血管障害スクリーニングに有用。
比較表
項目 右総頸動脈 左総頸動脈
起始 腕頭動脈から分枝 大動脈弓から直接
起始の高さ 胸鎖関節後方 大動脈弓上部
走行 頸動脈鞘内(動脈内側) 頸動脈鞘内(動脈内側)
分岐 甲状軟骨上縁で内頸・外頸へ 甲状軟骨上縁で内頸・外頸へ
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題36|総頸動脈について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題36|総頸動脈について誤っている記述はどれか。
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