学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ R. 頭頸部の脈管・末梢神経 / Q1079

理由で解く 解剖学

Q1079 運動器系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題28
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 顔面動脈の拍動は下顎の下縁で触れる。
2 総頸動脈の拍動は顎下三角の部位で触れる。
3 上腸間膜静脈は下大静脈に開口する。
4 脳底動脈は左右の内頸動脈が合流したものである。
解答
正解1(顔面動脈の拍動は下顎の下縁で触れる。)
解説
✓ 1. 正しい
顔面動脈の拍動は下顎の下縁で触れる。
顔面動脈は外頸動脈の枝で、顎下腺の深部を通り、咬筋付着部前縁にあたる下顎骨下縁を乗り越えて顔面に入る。この下顎下縁を乗り越える地点で皮下を走行するため、体表から拍動を触れることができる代表部位である。その後は口角外方から内眼角に向かって蛇行上行し、口唇動脈・鼻翼への枝を出しながら表情筋の間を走る。臨床では顎顔面外科領域の止血点として重要。
✗ 2. 誤り
総頸動脈の拍動は顎下三角の部位で触れる。
総頸動脈の拍動は頸動脈三角(胸鎖乳突筋前縁・顎二腹筋後腹・肩甲舌骨筋上腹)で触れる。顎下三角は顎下腺と顎下リンパ節が存在する部位であり、総頸動脈はこの位置には来ない。
✗ 3. 誤り
上腸間膜静脈は下大静脈に開口する。
上腸間膜静脈は脾静脈と合流して門脈を形成し、肝臓に流入する。消化管(脾臓以外の大部分)からの静脈血は門脈系を経由して肝臓で代謝を受けた後、肝静脈から下大静脈へ注ぐのが原則である。
✗ 4. 誤り
脳底動脈は左右の内頸動脈が合流したものである。
脳底動脈は左右の椎骨動脈が橋の下面で合流して形成される。内頸動脈は頭蓋内で前大脳動脈と中大脳動脈を出し、後交通動脈を介して脳底動脈から分かれた後大脳動脈と吻合することで大脳動脈輪を形成する。
ポイント
  • 顔面動脈(外頸動脈の枝)は下顎骨下縁を乗り越える部位で拍動を触れる。脳底動脈は左右の椎骨動脈合流で形成。
  • 覚え方のコツ: 頭頸部の主要触診部位「顔面動脈=下顎下縁、浅側頭動脈=外耳孔前、総頸動脈=頸動脈三角、後頭動脈=乳様突起内側」をセットで覚える。
  • 関連知識: 顔面動脈は外頸動脈から前方に分枝(上甲状腺動脈・舌動脈に続く3番目)。門脈系は消化管血を肝へ送る。
  • よくある間違い: 脳底動脈を内頸動脈系と誤認する(実際は椎骨動脈系)/上腸間膜静脈が直接下大静脈に注ぐと誤解する。
  • 臨床応用: 顔面動脈は出血時の指圧止血点。頸動脈三角での拍動確認は救急現場の脈拍チェックの基本。
比較表
動脈 触診部位
顔面動脈 下顎骨下縁(咬筋前縁)
浅側頭動脈 外耳孔前方
総頸動脈 頸動脈三角・胸鎖乳突筋前縁
後頭動脈 乳様突起の内側(上項線付近)
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題28|正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題28|正しいのはどれか。
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