学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ O. 下肢の局所解剖・脈管・神経 / Q1040

理由で解く 解剖学

Q1040 運動器系

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題16
問題
大坐骨孔を通過しないのはどれか。
選択肢
1 坐骨神経
2 上殿神経
3 梨状筋
4 内閉鎖筋
解答
正解4(内閉鎖筋)
解説
✗ 1.
坐骨神経
✗ 正しい。 坐骨神経は仙骨神経叢(L4〜S3)から起こる人体最大の末梢神経で、梨状筋下孔を通って大坐骨孔から骨盤外に出て大腿後面を下行する。大坐骨孔を通過する。
✗ 2.
上殿神経
✗ 正しい。 上殿神経は仙骨神経叢から起こり、梨状筋上孔を通って大坐骨孔から出て中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を支配する。梨状筋上孔を通る唯一の神経として知られる。
✗ 3.
梨状筋
✗ 正しい。 梨状筋は仙骨前面から起こり大坐骨孔そのものを貫通して大転子に停止する。大坐骨孔を梨状筋上孔と梨状筋下孔の2つに分ける役割を持つ。
✓ 4. 誤り
内閉鎖筋
内閉鎖筋は閉鎖膜内面から起こり、坐骨小切痕(小坐骨孔)を通って骨盤外に出て、大転子後面(転子窩)に停止する深層外旋筋の1つである。大坐骨孔ではなく小坐骨孔を通過するため、本設問では通過しない筋にあたる。仙骨神経叢から直接筋枝を受け、股関節の外旋に働く。
ポイント
  • 大坐骨孔は梨状筋により上下2つに分けられる。内閉鎖筋のみは小坐骨孔を通り、大坐骨孔は通過しない。
  • 覚え方のコツ: 「梨状筋上孔=上殿神経のみ」「梨状筋下孔=下殿神経・坐骨神経・陰部神経・後大腿皮神経など」「小坐骨孔=陰部神経+内閉鎖筋腱」の3階建て。
  • 関連知識: 梨状筋下孔を通った陰部神経と内陰部動静脈は、骨盤底に戻るため小坐骨孔に再入し陰部神経管へ向かう。内閉鎖筋腱も小坐骨孔を通って大転子に向かう。
  • よくある間違い: 内閉鎖筋と外閉鎖筋の通路を混同する(外閉鎖筋は骨盤内に出ない)/上殿神経を大坐骨孔通過しないと誤る(梨状筋上孔を通る)。
  • 臨床応用: 梨状筋症候群では梨状筋下孔で坐骨神経が圧迫され、殿部から下肢後面に放散する疼痛やしびれを生じる。椎間板ヘルニアとの鑑別が重要。
比較表
骨盤後壁の孔と通過構造 通過する主要な構造
梨状筋上孔 上殿神経、上殿動静脈
梨状筋下孔 下殿神経、坐骨神経、後大腿皮神経、陰部神経、下殿動静脈、内陰部動静脈
小坐骨孔 陰部神経、内陰部動静脈(骨盤底へ)、内閉鎖筋腱
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題16|大坐骨孔を通過しないのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題16|大坐骨孔を通過しないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手