学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ N. 下肢の運動 / Q1033

理由で解く 解剖学

Q1033 運動器系

出典:あマ指 第5回(1997) 問題22
問題
筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 大腰筋 ─ 股関節の屈曲
2 恥骨筋 ─ 股関節の伸展
3 腓腹筋 ─ 足の底屈
4 前脛骨筋 ─ 足の背屈
解答
正解2(恥骨筋 ─ 股関節の伸展)
解説
✗ 1.
大腰筋 ─ 股関節の屈曲
✗ 正しい。 大腰筋は腰椎前面から起こり腸骨筋と合流して小転子に停止し、股関節を強力に屈曲する代表的な筋である。腸腰筋として機能し、歩行時の大腿の振り出しに働く。
✓ 2. 誤り
恥骨筋 ─ 股関節の伸展
恥骨筋は恥骨上枝から起こり大腿骨の恥骨筋線に停止する筋で、作用は股関節の屈曲と内転であり、伸展作用は持たない。大腿三角の床を腸腰筋とともに構成し、支配は大腿神経(一部閉鎖神経)である。内転筋群に分類されるが、大腿直筋などと同様に股関節をまたぐ位置関係から屈曲作用も有する。股関節の伸展を行うのは大殿筋・ハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)であり、恥骨筋はこれらとは全く逆の作用を持つ点で本肢が誤りとなる。
✗ 3.
腓腹筋 ─ 足の底屈
✗ 正しい。 腓腹筋は大腿骨内・外側顆から起こりヒラメ筋と合流してアキレス腱となり踵骨隆起に停止する。脛骨神経支配で、足関節の底屈と膝関節の屈曲に働く二関節筋である。
✗ 4.
前脛骨筋 ─ 足の背屈
✗ 正しい。 前脛骨筋は脛骨外側面から起こり内側楔状骨と第1中足骨底に停止する。深腓骨神経に支配され、足関節の背屈と内反を行う下腿前面伸筋群の主力筋である。
ポイント
  • 恥骨筋は大腿内側の内転筋群に属し、股関節の屈曲・内転を行う。伸展作用は持たない。
  • 覚え方のコツ: 「恥骨筋は屈曲+内転」、「股関節伸展=大殿筋・ハムストリングス」と二分して記憶。
  • 関連知識: 大腿三角の床は腸腰筋と恥骨筋で構成。恥骨筋は主に大腿神経、一部閉鎖神経の二重支配を受ける。
  • よくある間違い: 内転筋群=伸展と思い込む/「恥骨」の名称から体幹後方の筋と誤認する。
  • 臨床応用: 内転筋群の拘縮はスカルパ三角の狭小化を招き、大腿動脈の拍動触知を難しくする。股関節手術時は恥骨筋と腸腰筋の位置関係が術野の指標となる。
比較表
主な作用 支配神経
大腰筋(腸腰筋) 股関節屈曲 腰神経叢(L1-3)
恥骨筋 股関節屈曲・内転 大腿神経(一部閉鎖神経)
大殿筋 股関節伸展・外旋 下殿神経
腓腹筋 足関節底屈・膝屈曲 脛骨神経
前脛骨筋 足関節背屈・内反 深腓骨神経
解説画像
あマ指 第5回(1997) 問題22|筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
あマ指 第5回(1997) 問題22|筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。
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