学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0999

理由で解く 解剖学

Q0999 運動器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題17
問題
鵞足の形成に関与するのはどれか。
選択肢
1 長内転筋
2 大腿二頭筋
3 半腱様筋
4 半膜様筋
解答
正解3(半腱様筋)
解説
✗ 1. 誤り
長内転筋
長内転筋は恥骨体前面から起こり粗線内側唇に停止する内転筋群の1つで、閉鎖神経支配。停止は大腿骨であり脛骨には至らないため鵞足には関与しない。
✗ 2. 誤り
大腿二頭筋
大腿二頭筋はハムストリングスの1つで、長頭・短頭ともに腓骨頭に停止する。脛骨内側ではなく腓骨外側に停止するため、鵞足の形成には関与しない。
✓ 3. 正しい
半腱様筋
半腱様筋は坐骨結節から起こり、縫工筋(大腿神経支配)・薄筋(閉鎖神経支配)とともに脛骨粗面内側で鵞足を形成する。半腱様筋自体は坐骨神経(脛骨神経部)支配で、ハムストリングスの1つでもある。鵞足はガチョウの足の水かきに似た形状からこの名があり、膝関節包の内側を補強する。
✗ 4. 誤り
半膜様筋
半膜様筋は坐骨結節から起こるが、停止部は脛骨内側顆の「後部」であり、脛骨粗面内側の鵞足とは異なる位置に停止する。半腱様筋との停止部の違いに注意が必要。
ポイント
  • 鵞足を形成する3筋=縫工筋・薄筋・半腱様筋。脛骨粗面の内側に共同停止し、膝関節包を補強する。
  • 覚え方のコツ: 「SGT(Sartorius, Gracilis, semiTendinosus)=縫工・薄・半腱」で3筋を記憶。支配神経は大腿・閉鎖・坐骨の3神経が1か所に集まる珍しい例。
  • 関連知識: 3筋の起始は骨盤の外側(上前腸骨棘)・内側(恥骨下枝)・後方(坐骨結節)と三方向から集まり、「骨盤を逆三脚で支える」構造。全ての3筋が膝関節屈曲+内旋に働く。
  • よくある間違い: 半膜様筋を鵞足構成と誤る(停止は脛骨内側顆後部)/大腿二頭筋を含めるのも誤り(腓骨頭停止)。
  • 臨床応用: 鵞足炎(鵞足滑液包炎)は脛骨粗面内側下方の圧痛と腫脹を起こし、ランナーや変形性膝関節症の中高年に多い。膝内側半月板損傷との鑑別が重要。
比較表
鵞足を形成する3筋 起始 支配神経 作用
縫工筋 上前腸骨棘 大腿神経 股関節屈曲・外転・外旋、膝関節屈曲・内旋
薄筋 恥骨下枝 閉鎖神経 股関節内転、膝関節屈曲・内旋
半腱様筋 坐骨結節 坐骨神経(脛骨神経部) 股関節伸展、膝関節屈曲・内旋
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題17|鵞足の形成に関与するのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題17|鵞足の形成に関与するのはどれか。
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