学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ M. 下肢の筋 / Q0978

理由で解く 解剖学

Q0978 運動器系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題17
問題
恥骨に起始しない筋はどれか。
選択肢
1 縫工筋
2 肛門挙筋
3 長内転筋
4 外閉鎖筋
解答
正解1(縫工筋)
解説
✓ 1. 正しい
縫工筋
縫工筋の起始は上前腸骨棘(腸骨)で、恥骨ではない。長く薄い帯状の筋で大腿前面を斜めに横切り、脛骨粗面の内側に停止して鵞足を形成する(薄筋・半腱様筋とともに)。股関節の屈曲・外転・外旋と膝関節の屈曲・内旋を行い、あぐらをかく姿勢で顕著に働くことからラテン語で「仕立屋の筋」と名付けられた。鵞足を構成する3筋は骨盤の外側縁(縫工筋)・内側縁(薄筋)・後縁(半腱様筋)から三脚状に起こり、それぞれ大腿神経・閉鎖神経・坐骨神経と異なる神経支配を受けて骨盤安定に微調整を行う。
✗ 2. 誤り
肛門挙筋
肛門挙筋は骨盤隔膜の主体で、恥骨の内面(恥骨直腸筋・恥骨尾骨筋)と坐骨棘(腸骨尾骨筋)から起こり尾骨に停止する。恥骨に起始を持つ代表的な筋である。
✗ 3. 誤り
長内転筋
長内転筋は恥骨体前面から起こり、大腿骨粗線内側唇に停止する。大腿内転筋群の代表で閉鎖神経支配。股関節を内転・屈曲する。
✗ 4. 誤り
外閉鎖筋
外閉鎖筋は閉鎖膜の外面と閉鎖孔の周囲(恥骨下枝・坐骨枝)から起こる。起始の一部は恥骨にあり、停止は転子窩。閉鎖神経支配で股関節を外旋する。
ポイント
  • 縫工筋は上前腸骨棘(腸骨)から起こる下肢最長の筋。恥骨起始の筋は内転筋群(長・短・大内転筋、薄筋、恥骨筋)、外閉鎖筋、肛門挙筋など。
  • 覚え方のコツ: 「鵞足3筋=縫工(腸骨)・薄筋(恥骨)・半腱様(坐骨)」と起始部位の骨で区別。縫工だけ腸骨起始。
  • 関連知識: 上前腸骨棘は縫工筋・大腿筋膜張筋の起始、下前腸骨棘は大腿直筋の起始。いずれも骨盤前面で触知可能なランドマーク。
  • よくある間違い: 縫工筋の起始を恥骨や下前腸骨棘と誤認する/内転筋群全体が恥骨起始だが大内転筋の一部は坐骨枝からも起こる点を見落とす。
  • 臨床応用: 鵞足炎は膝内側の痛みを起こすスポーツ障害。縫工筋は大腿動脈・静脈を被覆するため、大腿三角の筋境界として解剖ランドマークとなる。
比較表
筋名 起始(骨) 停止
縫工筋 上前腸骨棘(腸骨) 脛骨粗面内側(鵞足)
薄筋 恥骨下枝 脛骨粗面内側(鵞足)
半腱様筋 坐骨結節 脛骨粗面内側(鵞足)
長内転筋 恥骨体前面 大腿骨粗線内側唇
外閉鎖筋 閉鎖膜外面(恥骨・坐骨枝含む) 転子窩
肛門挙筋 恥骨内面・坐骨棘 尾骨
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題17|恥骨に起始しない筋はどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題17|恥骨に起始しない筋はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手