学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ J. 上肢の筋 / Q0941

理由で解く 解剖学

Q0941 運動器系

出典:あマ指 第15回(2007) 問題21
問題
肩甲骨に停止する筋はどれか。
選択肢
1 前鋸筋
2 肩甲下筋
3 棘下筋
4 大円筋
解答
正解1(前鋸筋)
解説
✓ 1. 正しい
前鋸筋
前鋸筋は第1〜9肋骨の外側面(鋸歯状)から起こり、肩甲骨内側縁の肋骨面に停止する浅胸筋である。長胸神経(C5〜C7)支配で、肩甲骨を前方に引き(突出)、関節窩を上方に回旋させて上肢の挙上を補助する。肩甲骨を胸郭に密着させる重要な働きを担い、腋窩の内側壁を構成する。起始は肋骨だが、停止は肩甲骨内側縁という珍しい走行の筋である。
✗ 2. 誤り
肩甲下筋
肩甲下筋は肩甲骨の肩甲下窩から「起こり」上腕骨小結節に停止する。すなわち肩甲骨に起始があり、停止は上腕骨。
✗ 3. 誤り
棘下筋
棘下筋は肩甲骨の棘下窩から「起こり」上腕骨大結節に停止する。肩甲骨は起始部であり停止部ではない。
✗ 4. 誤り
大円筋
大円筋は肩甲骨下角から「起こり」上腕骨小結節稜に停止する。肩甲骨は起始であり、停止は上腕骨。
ポイント
  • 中核要点: 肩甲骨に「停止する」筋は、胸郭や脊柱から起こって肩甲骨を動かす筋(前鋸筋・僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋・小胸筋)。逆に、肩甲骨から「起始する」筋は上腕骨を動かす上肢帯筋・上腕筋である。
  • 覚え方のコツ: 「肩甲骨を動かす筋=停止が肩甲骨」「上腕を動かす筋=起始が肩甲骨」で発想を切り替える。肩甲下筋・棘下筋・大円筋は全て"肩甲骨が起始"。
  • 関連知識: 肩甲骨に停止する筋と支配神経: 前鋸筋(長胸神経)、僧帽筋(副神経+C3-4)、菱形筋・肩甲挙筋(肩甲背神経)、小胸筋(内側・外側胸筋神経)。
  • よくある間違い: 「肩甲骨に関与する筋=停止」と単純に考えてしまう/前鋸筋の起始と停止を逆に覚える。
  • 臨床応用: 長胸神経麻痺で前鋸筋が麻痺すると、肩甲骨が胸郭から浮き上がる翼状肩甲(winged scapula)を呈し、上肢の前方挙上が困難となる。
比較表
起始 停止
前鋸筋 第1〜9肋骨外側面 肩甲骨内側縁
僧帽筋 後頭骨・項靭帯・胸椎棘突起 鎖骨外側・肩峰・肩甲棘
小菱形筋・大菱形筋 頸・胸椎棘突起 肩甲骨内側縁
肩甲挙筋 上位頸椎横突起 肩甲骨上角
肩甲下筋 肩甲下窩 上腕骨小結節
棘下筋 棘下窩 上腕骨大結節
大円筋 肩甲骨下角 上腕骨小結節稜
解説画像
あマ指 第15回(2007) 問題21|肩甲骨に停止する筋はどれか。 解説図
あマ指 第15回(2007) 問題21|肩甲骨に停止する筋はどれか。
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