学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ F. 下肢の骨格 / Q0837

理由で解く 解剖学

Q0837 運動器系

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題16
問題
下肢の骨について正しいのはどれか。
選択肢
1 粗線は大腿骨体の前面にある。
2 内側顆は脛骨の遠位端内側にある。
3 脛腓関節は脛骨と腓骨の遠位端にある。
4 小転子は大腿骨頸基部の内側下方にある。
解答
正解4(小転子は大腿骨頸基部の内側下方にある。)
解説
✗ 1. 誤り
粗線は大腿骨体の前面にある。
粗線は大腿骨体の「後面」を縦走する骨の稜で、内側唇と外側唇の2本からなる。大腿骨体の前面は滑らかで、前面に粗線は存在しない。粗線は前面ではなく後面にある点で誤り。
✗ 2. 誤り
内側顆は脛骨の遠位端内側にある。
脛骨の内側顆・外側顆は「近位端(上端)」で左右に広がり大腿骨と膝関節をつくる部分である。脛骨の遠位端(下端)内側にあるのは「内果」であり、内側顆と内果は全く別の構造である。
✗ 3. 誤り
脛腓関節は脛骨と腓骨の遠位端にある。
脛腓関節は脛骨の「外側顆下方」と腓骨頭との間、すなわち両骨の近位端(上端)に存在する平面関節である。遠位端で両骨が結合するのは「脛腓靭帯結合」で、これは関節ではなく線維性の結合。位置と結合形式が異なる。
✓ 4. 正しい
小転子は大腿骨頸基部の内側下方にある。
大腿骨頸の基部(頸と骨体の移行部)では、外側上方に大転子、内側下方に小転子という2つの隆起がある。小転子には腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)が停止し、股関節屈曲に関わる。大転子には外寛骨筋(中殿筋・小殿筋・梨状筋・内閉鎖筋・上下双子筋)が集中的に付着する。転子の前面では大転子と小転子の間を転子間線が、後面では転子間稜が斜めに走り、両者を結ぶ線上で関節包の外側縁が付着する。
ポイント
  • 小転子は大腿骨頸基部の内側下方に位置し、腸腰筋が停止する。
  • 覚え方のコツ: 「大転子=外上」「小転子=内下」で対角線配置。大転子は大殿筋群の中継点、小転子は腸腰筋。
  • 関連知識: 粗線は後面、脛骨内側顆は近位端、脛腓関節は近位端、脛腓靭帯結合は遠位端。位置関係を「近位・遠位」「前・後」で整理する。
  • よくある間違い: 「内側顆」と「内果」を混同する(脛骨の近位側は顆、遠位側は果)。粗線の位置(前/後)、脛腓関節の位置(上/下)も混同しやすい。
  • 臨床応用: 大腿骨転子部骨折は高齢者に多く、転子間線・転子間稜周辺での骨折。小転子裂離骨折は若年スポーツ選手の腸腰筋過収縮で生じる。
比較表
誤答の誤点 正しい位置
粗線は前面 粗線は大腿骨体の「後面」
内側顆は脛骨遠位端 脛骨の内外側顆は「近位端」、遠位端内側は「内果」
脛腓関節は遠位端 脛腓関節は「近位端(腓骨頭―脛骨外側顆)」
小転子は内側下方 大腿骨頸基部の内側下方(正しい)
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題16|下肢の骨について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題16|下肢の骨について正しいのはどれか。
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