学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ E. 上肢の骨格 / Q0817

理由で解く 解剖学

Q0817 運動器系

出典:あマ指 第32回(2024) 問題15
問題
上肢の骨格について正しいのはどれか。
選択肢
1 尺骨神経溝は上腕骨内側上顆の後面にある。
2 上腕骨小頭は上腕骨滑車の内方にある。
3 橈骨頭は橈骨の遠位端である。
4 母指は基節骨を欠く。
解答
正解1(尺骨神経溝は上腕骨内側上顆の後面にある。)
解説
✓ 1. 正しい
尺骨神経溝は上腕骨内側上顆の後面にある。
尺骨神経溝は上腕骨内側上顆の後面にある浅い溝で、ここを尺骨神経が通過して前腕尺側へ向かう。内側上顆は皮下に触知でき、その後面で尺骨神経を皮膚の上から圧迫すると小指側にしびれが走る(「ファニーボーン」現象)。尺骨神経は内側上顆後面を通った後、肘部管(内側上顆と尺側手根屈筋腱膜の間)を抜けて前腕に入る。この部位は神経の走行が浅く外傷や圧迫を受けやすく、肘部管症候群の好発部位として臨床上極めて重要である。
✗ 2. 誤り
上腕骨小頭は上腕骨滑車の内方にある。
上腕骨小頭は上腕骨滑車の「外側」にある。小頭は橈骨頭と腕橈関節をつくり、滑車は尺骨と腕尺関節をつくる。橈骨=外側、尺骨=内側、に対応する配置。
✗ 3. 誤り
橈骨頭は橈骨の遠位端である。
橈骨頭は橈骨の「近位端(上端)」にある。上面が浅く窪んで上腕骨小頭と関節し、側面は関節環状面として尺骨の橈骨切痕と上橈尺関節を作る。橈骨遠位端にあるのは茎状突起・尺骨切痕・手根関節面・リスター結節。
✗ 4. 誤り
母指は基節骨を欠く。
母指は「中節骨」を欠き、基節骨と末節骨の2節からなる。他の4指は基節骨・中節骨・末節骨の3節。基節骨はすべての指に存在する。
ポイント
  • 尺骨神経溝は上腕骨内側上顆の後面にあり、尺骨神経が通過する表在部位。
  • 覚え方のコツ: 「内側上顆の裏に尺骨神経」。肘をぶつけて小指がしびれる部位=尺骨神経溝、とイメージで記憶。
  • 関連知識: 母指は基節骨+末節骨の2節、他の4指は3節。中節骨を欠くのが母指の特徴。橈骨頭は近位、尺骨頭は遠位、と骨によって「頭」の位置が異なる。
  • よくある間違い: 母指を「基節骨欠如」と誤る(正しくは中節骨欠如)/小頭・滑車の内外を逆に覚える/橈骨頭を遠位と誤認する。
  • 臨床応用: 肘部管症候群では尺骨神経溝~肘部管で尺骨神経が絞扼され、小指・環指尺側のしびれ、骨間筋・母指内転筋の萎縮、鷲手変形が生じる。チネル徴候陽性。
比較表
構造 位置 主な関連
尺骨神経溝 上腕骨内側上顆後面 尺骨神経
上腕骨小頭 上腕骨下端・外側 橈骨頭と腕橈関節
上腕骨滑車 上腕骨下端・内側 尺骨滑車切痕と腕尺関節
橈骨頭 橈骨近位端 上腕骨小頭・上橈尺関節
尺骨頭 尺骨遠位端 下橈尺関節
母指の指骨 基節骨+末節骨(2節) 中節骨を欠く
第2~5指 基節骨+中節骨+末節骨(3節)
解説画像
あマ指 第32回(2024) 問題15|上肢の骨格について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第32回(2024) 問題15|上肢の骨格について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手