学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0576

理由で解く 解剖学

Q0576 神経系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題34
問題
脳神経で副交感神経線維を含むのはどれか。
選択肢
1 三叉神経
2 内耳神経
3 舌咽神経
4 舌下神経
解答
正解3(舌咽神経)
解説
✗ 1. 誤り
三叉神経
三叉神経(V)は感覚性(顔面・口腔の広範な感覚)と運動性(咀嚼筋運動)の混合神経だが、副交感線維そのものは含まない。ただし翼口蓋神経節や顎下神経節を経た副交感線維(起源はVII顔面神経)をV2・V3枝に便乗させて涙腺・唾液腺へ運ぶ「運び屋」の役割を果たす。
✗ 2. 誤り
内耳神経
内耳神経(VIII)は蝸牛神経(聴覚)と前庭神経(平衡覚)から構成される純感覚性神経で、運動も副交感も含まない。I嗅神経・II視神経とあわせて純感覚性3脳神経の一角をなす。
✓ 3. 正しい
舌咽神経
舌咽神経(IX)は感覚・運動・副交感の3成分を持つ混合神経で、副交感線維は延髄の下唾液核を起始とする。下神経節から分岐した鼓室神経が鼓室に入り、小錐体神経として耳神経節でニューロンを交代、節後線維が耳下腺に到達して唾液分泌を促す。これが舌咽神経の副交感性機能である。なお舌咽神経は、感覚性に舌後1/3の味覚と一般感覚・咽頭粘膜感覚・頸動脈小体(化学受容器)・頸動脈洞(圧受容器)の感覚、運動性に茎突咽頭筋などの咽頭筋を支配し嚥下運動を担う。副交感線維を含む脳神経はIII・VII・IX・Xの4つ、そのうち耳下腺担当がIXであることは典型的な出題ポイントである。
✗ 4. 誤り
舌下神経
舌下神経(XII)は舌内筋・外舌筋を支配する純運動性神経で、副交感線維は含まない。純運動性脳神経はIII・IV・VI・XI・XIIの5つで、XIIはその最後に位置する。
ポイント
  • 舌咽神経(IX)の副交感線維は下唾液核→鼓室神経→小錐体神経→耳神経節→耳下腺の経路で、唾液分泌を促進する。副交感性脳神経4つ(III・VII・IX・X)のうち耳下腺担当がIX。
  • 覚え方のコツ: 唾液腺の担当を「顎下腺・舌下腺=VII/耳下腺=IX」と分ける。解剖的に耳に近い耳下腺はIX(小錐体神経)、口底の腺はVII(鼓索神経)。
  • 関連知識: 舌咽神経は頸動脈洞・頸動脈小体の感覚も担い、血圧・動脈血酸素分圧・pHの情報を延髄に伝える。これが血圧調節・呼吸調節の求心路となる。
  • よくある間違い: 舌咽神経を「舌の神経」と単純化しすぎて副交感成分を見落としがち。実際は舌後1/3味覚・咽頭運動・耳下腺副交感と3役をこなす混合神経である。
  • 臨床応用: 耳下腺腫瘍や耳下腺手術では顔面神経(VII)の分枝損傷が有名だが、耳下腺への分泌神経はIX舌咽神経由来であり、両者の解剖関係が複雑であることを理解しておく。
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題34|脳神経で副交感神経線維を含むのはどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題34|脳神経で副交感神経線維を含むのはどれか。
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