学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ G. 脳室系・髄膜・脳脊髄液 / Q0544

理由で解く 解剖学

Q0544 神経系

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題24
問題
硬膜について正しいのはどれか。
選択肢
1 硬膜は2 葉からなる。
2 小脳鎌は大脳と小脳の境となる。
3 硬膜静脈洞は硬膜の内側に形成される。
4 硬膜外腔は脳脊髄液により満たされる。
解答
正解1(硬膜は2 葉からなる。)
解説
✓ 1. 正しい
硬膜は2 葉からなる。
硬膜は髄膜の最外層をなす厚い膠原線維性の膜で、外葉(骨膜葉)と内葉(髄膜葉)の2葉から構成される。外葉は骨膜に相当し頭蓋骨内面や脊柱管の内面に密着する。脳を包む脳硬膜ではこの2葉は通常融合して1枚の膜のように見えるが、硬膜静脈洞のある部位でのみ両葉が分かれて開き、その間の空隙に静脈血を受ける。一方、脊髄を包む脊髄硬膜では両葉が完全に離れており、両葉の間に脂肪組織や内椎骨静脈叢(硬膜外腔の内容物)が入る。この構造の違いが、脳と脊髄の硬膜外腔の性質の違いを生んでいる。
✗ 2. 誤り
小脳鎌は大脳と小脳の境となる。
大脳と小脳の境をつくるのは「小脳テント」であり、小脳鎌ではない。小脳鎌は正中面に位置して左右の小脳半球を仕切る小さな硬膜ヒダで、大脳鎌の後下方への延長に相当する。「テント=水平に仕切る」「鎌=正中で垂直に仕切る」と区別する。
✗ 3. 誤り
硬膜静脈洞は硬膜の内側に形成される。
硬膜静脈洞は硬膜の外葉と内葉が分かれた部位で、両葉の「間」に形成される静脈性の腔である。硬膜の内側(硬膜下腔側)に形成されるのではない。脳表面の静脈血を集め、最終的には頸静脈孔を経て内頸静脈へ注ぐ。
✗ 4. 誤り
硬膜外腔は脳脊髄液により満たされる。
脳脊髄液で満たされるのはクモ膜下腔であって硬膜外腔ではない。脊髄の硬膜外腔には脂肪組織や内椎骨静脈叢があり、硬膜外麻酔の注入スペースとなる。
ポイント
  • 硬膜は外葉(骨膜葉)と内葉(髄膜葉)の2葉からなり、両葉の間の空隙が硬膜静脈洞となる。
  • 覚え方のコツ: 「硬膜は〈2葉〉/テントは〈水平に〉大脳と小脳を分ける/鎌は〈正中に垂直に〉脳を分ける」と配置で覚える。
  • 関連知識: 脳硬膜の代表的ヒダは大脳鎌(左右大脳半球を正中で仕切る)・小脳テント(大脳と小脳を水平に仕切る)・小脳鎌(左右小脳半球を正中で仕切る)。
  • よくある間違い: 小脳テントと小脳鎌の取り違え、硬膜静脈洞の位置(内側でなく2葉の間)、硬膜下腔とクモ膜下腔の混同が頻出。
  • 臨床応用: 側頭骨骨折で生じる急性硬膜外血腫は硬膜外葉と頭蓋骨の間に血液が溜まる病態で、中硬膜動脈損傷が原因。
比較表
硬膜ヒダ 仕切る構造 方向
大脳鎌 左右大脳半球 正中・垂直
小脳テント 大脳と小脳 水平
小脳鎌 左右小脳半球 正中・垂直
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題24|硬膜について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題24|硬膜について正しいのはどれか。
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