学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ G. 脳室系・髄膜・脳脊髄液 / Q0536

理由で解く 解剖学

Q0536 神経系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題28
問題
脳室系について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 側脳室は大脳半球の深部にある。
2 脈絡叢は脳脊髄液を分泌する。
3 第3 脳室はくも膜下腔と交通する。
4 脳脊髄液はくも膜顆粒から吸収される。
解答
正解3(第3 脳室はくも膜下腔と交通する。)
解説
✗ 1.
側脳室は大脳半球の深部にある。
✗ 正しい。 本肢は本文と矛盾しない正しい記述であり、「誤っている記述」を選ぶ本問では不適切。側脳室は左右の大脳半球内に前後に伸びるアーチ状の空所として存在し、前角は前頭葉、後角は後頭葉、下角は側頭葉に向かって張り出す。
✗ 2.
脈絡叢は脳脊髄液を分泌する。
✗ 正しい。 こちらも正しい記述なので選択肢として不適切。脈絡叢は脳室壁で上衣細胞におおわれた毛細血管網が脳室内に突出したもので、左右側脳室・第3脳室・第4脳室の4か所に存在し、ここから脳脊髄液が産生・分泌される。
✓ 3. 誤り
第3 脳室はくも膜下腔と交通する。
本肢は明確な誤記述である。第3脳室が直接くも膜下腔に開口することはなく、第3脳室は上方で室間孔を介して側脳室と、下方で中脳水道を介して第4脳室とつながるのみである。くも膜下腔への出口は第4脳室の正中口(マジャンディ孔)と左右の外側口(ルシュカ孔)の3か所だけであり、ここが脳室系内腔とくも膜下腔との唯一の交通路となる。したがって「第3脳室がくも膜下腔と直接交通する」は解剖学的に成立せず、誤っている。
✗ 4.
脳脊髄液はくも膜顆粒から吸収される。
✗ 正しい。 これも正しい記述である。くも膜顆粒は上矢状静脈洞などの硬膜静脈洞にイボ状に突出したくも膜の突起で、脳脊髄液をここから硬膜静脈洞内の血液へ還流させ、最終的に内頸静脈を経て全身循環に戻す役割をもつ。
ポイント
  • 脳室系の連絡経路は「側脳室→室間孔→第3脳室→中脳水道→第4脳室→正中口・外側口→くも膜下腔」の一本道である。
  • 覚え方のコツ: 「ソク・サン・ヨン、モンロー・中脳・マジ/ルシュ」と唱え、側脳室・第3脳室・第4脳室とそれを結ぶ3つの関門(室間孔・中脳水道・正中口/外側口)をセットで暗記する。
  • 関連知識: 脳脊髄液は脈絡叢で産生され、脳室系→くも膜下腔→くも膜顆粒→上矢状静脈洞の順に還流し、最後は内頸静脈へ戻る。
  • よくある間違い: 第3脳室や中脳水道が直接くも膜下腔に通じると混同しやすい。くも膜下腔への開口部は第4脳室の3つの孔だけである。
  • 臨床応用: 正中口・外側口や中脳水道の閉塞は髄液循環を障害し、脳室内に髄液が貯留する非交通性(閉塞性)水頭症を引き起こす。
比較表
脳室 位置 連絡する構造
側脳室(左右) 大脳半球内 室間孔で第3脳室へ
第3脳室 間脳の正中 中脳水道で第4脳室へ
中脳水道 中脳 第3脳室と第4脳室を連絡
第4脳室 橋・延髄と小脳の間 正中口・外側口でくも膜下腔へ/中心管へ
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題28|脳室系について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題28|脳室系について誤っている記述はどれか。
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