学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ A. 腎臓 / Q0377

理由で解く 解剖学

Q0377 泌尿器系

出典:あマ指 第30回(2022) 問題19
問題
腎臓について正しいのはどれか。
選択肢
1 間膜を有する。
2 腎静脈は門脈に注ぐ。
3 腎柱は皮質の一部である。
4 尿細管と集合管を合わせてネフロンという。
解答
正解3(腎柱は皮質の一部である。)
解説
✗ 1. 誤り
間膜を有する。
「間膜を有する」は誤り。腎臓は腹膜後器官(後腹膜器官)であり、腹膜に包まれないため間膜(mesentery)をもたない。腸間膜・胃間膜のような二重腹膜構造を介して壁に連結される器官ではなく、脂肪被膜・腎筋膜に包まれて後腹壁に直接接している。
✗ 2. 誤り
腎静脈は門脈に注ぐ。
「腎静脈は門脈に注ぐ」は誤り。腎静脈は門脈系ではなく体循環の静脈系に属し、直接下大静脈に注ぐ。左腎静脈は大動脈と上腸間膜動脈の間を横切って右側の下大静脈に流入する(ナットクラッカー現象の発生部位)。門脈に注ぐのは消化管由来の静脈(上・下腸間膜静脈・脾静脈)のみである。
✓ 3. 正しい
腎柱は皮質の一部である。
本選択肢が設問の正しい記述で、正答となる。腎柱は腎錐体(髄質)と腎錐体の間に入り込んだ皮質の延長部分であり、組織学的にも皮質と同じく腎小体や屈曲尿細管を含む。表層の皮質と腎柱を合わせて「皮質迷路」と呼ぶ流儀もあり、ともに発生学的には後腎組織由来である。腎柱の中を葉間動脈・葉間静脈が走行し、皮質と髄質の境界近くで弓状動脈・弓状静脈に移行するため、腎血管の走行路としても機能的に重要である。腎実質の「髄質間に割り込む皮質」と覚えるとよい。
✗ 4. 誤り
尿細管と集合管を合わせてネフロンという。
「尿細管と集合管を合わせてネフロン」は誤り。ネフロンの定義は腎小体(糸球体+ボウマン嚢)+尿細管(近位尿細管・ヘンレループ・遠位尿細管)であり、集合管を含まない。また腎小体が抜けているため、この表現はネフロンの定義として二重に誤っている。
ポイント
  • 腎柱は皮質の延長で髄質の腎錐体間に入り込む部分。葉間動静脈の走行路として重要。
  • 覚え方のコツ: 「柱は皮質の柱、錐体の間を支える」とイメージ。腎実質=皮質(本体+腎柱)+髄質(腎錐体)と2階建てで描く。
  • 関連知識: 腎動脈の分岐階層は「腎動脈→葉間動脈(腎柱内)→弓状動脈(皮髄境界)→小葉間動脈(皮質内を上行)→輸入細動脈→糸球体」。
  • よくある間違い: 腎柱を髄質の一部と誤認/腎静脈を門脈系と混同/腎臓に間膜があると誤答。
  • 臨床応用: 腎細胞癌の腎部分切除術ではCT上で腎柱を走る葉間動脈・葉間静脈の評価が必須。腎柱肥大(column of Bertin)は正常変異として腫瘤と誤診されやすい。
比較表
腎の構造区分 内容 由来
皮質 表層、腎小体を含む 後腎組織
腎柱 皮質が髄質間に突出した部分 後腎組織(皮質と同由来)
髄質 腎錐体8〜12個 後腎組織
腎乳頭 腎錐体の先端 後腎組織
腎盂・腎杯 尿の集合路 尿管芽
解説画像
あマ指 第30回(2022) 問題19|腎臓について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第30回(2022) 問題19|腎臓について正しいのはどれか。
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