
この図の解説
左上のH&E染色像は膵臓の実質で、ピンク色に濃く染まる大部分が腺房(膵外分泌部)、その中に島のように浮かぶ明るく染まらない細胞集団がランゲルハンス島(膵内分泌部)である。膵臓を「外分泌部と内分泌部に分けられる」と見るのがこの図の要点で、腺房の海の中に内分泌の島が点在する、という位置関係をまず押さえたい。左下は二重免疫染色でランゲルハンス島を拡大したもので、島の辺縁に赤く染まるα細胞(グルカゴン分泌)、中央に青く染まるβ細胞(インスリン分泌)が分かれて分布する。右下は腺房の拡大で、消化酵素を分泌する腺房細胞と、導管、その入り口にあって重炭酸塩(アルカリ性)を分泌する腺房中心細胞が描かれる。右の表は、外分泌部が出す膵液(消化酵素+重炭酸ナトリウム)と、内分泌部の三つのホルモンの作用を対比している。
学習の要点
- 膵臓は外分泌部(腺房→膵液)と内分泌部(ランゲルハンス島→ホルモン)を併せもつ器官で、腺房の中にランゲルハンス島が散在する。
- 覚え方のコツ: 島の細胞は「A・B・D」で、α(A)=グルカゴン、β(B)=インスリン、δ(D)=ソマトスタチン。割合はβ(約60〜75%)>α(約20%)>δ(約1〜8%)でβが最多。
- 関連知識: インスリンとグルカゴンは肝臓でのグリコーゲン合成・分解を逆向きに調節する。胃のG細胞が出すガストリンや十二指腸のセクレチンと同じく、消化器の内分泌細胞が血糖・消化を支える。
- よくある間違い: 「島=消化酵素を出す」と取り違える誤り。消化酵素(膵液)を出すのは腺房(外分泌部)で、島(内分泌部)が出すのはホルモンである。α細胞とβ細胞の作用の入れ替わりにも注意。
- 臨床応用: β細胞の障害でインスリンが不足すると血糖値が下げられなくなり糖尿病となる。血糖コントロールを考えるうえで島の細胞構成は基礎になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
ランゲルハンス島の( )細胞はグルカゴンを分泌し、肝臓でのグリコーゲン分解や糖新生を促して血糖値を上昇させる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: α(A)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。