学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0326

理由で解く 解剖学

Q0326 消化器系

出典:鍼灸 第21回(2013) 問題23
問題
ディッセ腔にみられるのはどれか。
選択肢
1 クッパ一星細胞
2 ビタミンA貯蔵細胞
3 赤血球
4 胆汁
解答
正解2(ビタミンA貯蔵細胞)
解説
✗ 1. 誤り
クッパ一星細胞
クッパー星細胞は肝類洞の「内腔側」にある大食細胞(マクロファージ)で、血流中の老廃物や異物・老廃赤血球の貪食を行う。類洞と肝細胞の間のディッセ腔ではなく、類洞の壁に付着している。
✓ 2. 正しい
ビタミンA貯蔵細胞
ディッセ腔は類洞(毛細血管)と肝細胞列の間にある狭い組織間隙で、ここに「ビタミンA貯蔵細胞(伊東細胞/肝星細胞)」が存在する。正常時は脂肪滴としてビタミンAを貯蔵するが、肝障害で活性化すると筋線維芽細胞様に変化し、膠原線維を産生して肝線維化・肝硬変の中心的担い手となる。物質交換もディッセ腔を介して血漿と肝細胞の間で行われる。
✗ 3. 誤り
赤血球
赤血球は類洞の内腔を流れる。ディッセ腔は類洞と肝細胞の間の組織間隙で血球は通常入らない。類洞壁の内皮には小孔(有窓内皮)があり、血漿成分はディッセ腔に浸み出るが赤血球は通過しない。
✗ 4. 誤り
胆汁
胆汁は肝細胞同士の間にある毛細胆管に分泌される。毛細胆管は小葉間胆管へ集まり総胆管へと至り、類洞やディッセ腔とは別の経路を流れる。ディッセ腔には胆汁は存在しない。
ポイント
  • ディッセ腔は類洞と肝細胞の間の間隙で、ビタミンA貯蔵細胞(伊東細胞・肝星細胞)が存在する。
  • 覚え方のコツ: 「Dissé=デッセ=伊東(Ito)」の語呂で連想。類洞の中は血液、間隙は貯蔵と覚える。
  • 関連知識: 肝類洞の内皮は有窓で基底膜をほぼ欠くため、血漿成分がディッセ腔に自由に移動し肝細胞と物質交換する。
  • よくある間違い: クッパー細胞とディッセ腔の伊東細胞を取り違える。クッパーは内腔・伊東は間隙と位置で区別する。
  • 臨床応用: 慢性肝炎・アルコール性肝障害で伊東細胞が活性化し、ディッセ腔に膠原線維を産生して肝線維化・肝硬変が進展する。抗線維化薬の標的細胞である。
比較表
部位 主な細胞・内容 役割
類洞(内腔) 赤血球・クッパー細胞 血液運搬・貪食
類洞内皮 有窓内皮細胞 物質透過
ディッセ腔 伊東細胞(ビタミンA貯蔵細胞) ビタミンA貯蔵・活性化で線維産生
肝細胞列 肝細胞・毛細胆管 代謝・胆汁分泌
解説画像
鍼灸 第21回(2013) 問題23|ディッセ腔にみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第21回(2013) 問題23|ディッセ腔にみられるのはどれか。
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