学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ G. 大腸 / Q0322

理由で解く 解剖学

Q0322 消化器系

出典:鍼灸 第23回(2015) 問題22
問題
上行結腸について正しいのはどれか。
選択肢
1 肝臓の方形葉下面に接する。
2 脾臓に接する。
3 右結腸動脈が分布する。
4 輪状ヒダを持つ。
解答
正解3(右結腸動脈が分布する。)
解説
✗ 1. 誤り
肝臓の方形葉下面に接する。
肝臓の方形葉下面に接するのは胆嚢(胆嚢窩)と十二指腸上部である。上行結腸は右下腹部から右上腹部にかけて縦走し、右結腸曲で肝臓の右葉下面(肝結腸部と呼ばれる)に達するが、方形葉下面ではない。記述は誤り。
✗ 2. 誤り
脾臓に接する。
脾臓は左季肋部(左上腹部)に位置し、接するのは胃底・横行結腸左端(左結腸曲=脾結腸曲)・膵尾などである。上行結腸は右側を上行するため脾臓と接触しない。左結腸曲と混同しやすい点である。
✓ 3. 正しい
右結腸動脈が分布する。
上行結腸は中腸由来で、上腸間膜動脈の分枝である回結腸動脈と右結腸動脈により栄養される。右結腸動脈は上行結腸の中部〜右結腸曲付近を支配し、回結腸動脈は盲腸・虫垂・上行結腸下部・回腸末端を支配する。したがって「右結腸動脈が分布する」は正しく、本問の正解である。中腸(盲腸〜横行結腸右2/3)と後腸(横行結腸左1/3〜直腸上部)の境界は解剖学的動脈分布の切り替わり点で、横行結腸中央付近にあるのが中結腸動脈と左結腸動脈の吻合(Riolan動脈弓)で、虚血に弱い分水嶺となる。
✗ 4. 誤り
輪状ヒダを持つ。
輪状ヒダ(ケルクリングヒダ)は小腸粘膜の全周性ヒダで、大腸には存在しない。大腸の粘膜ヒダは結腸ヒモの間に半月ヒダが形成されるのみである。上行結腸に輪状ヒダがあるという記述は誤り。
ポイント
  • 上行結腸は腹膜後臓器で、上腸間膜動脈の分枝である回結腸動脈・右結腸動脈から栄養を受ける。
  • 覚え方のコツ: 大腸の動脈支配を「中腸=上腸間膜動脈(SMA)=回結腸・右結腸・中結腸動脈/後腸=下腸間膜動脈(IMA)=左結腸・S状結腸・上直腸動脈」と2群で整理。
  • 関連知識: 右結腸曲(肝結腸曲)は肝右葉下面、左結腸曲(脾結腸曲)は脾臓・膵尾に接する。左結腸曲は右結腸曲より高位に位置する。
  • よくある間違い: 上行結腸を肝方形葉下面に接すると誤認/輪状ヒダを大腸にあると誤解/左右の結腸曲を逆に覚える。
  • 臨床応用: 上腸間膜動脈と下腸間膜動脈の分水嶺(横行結腸脾曲付近のGriffiths点)は虚血性大腸炎の好発部位。右結腸動脈領域の閉塞は上行結腸の虚血を来す。
解説画像
鍼灸 第23回(2015) 問題22|上行結腸について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第23回(2015) 問題22|上行結腸について正しいのはどれか。
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