学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ G. 大腸 / Q0321

理由で解く 解剖学

Q0321 消化器系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題22
問題
消化管で腹膜垂がみられるのはどれか。
選択肢
1 十二指腸
2 回腸
3 横行結腸
4 直腸
解答
正解3(横行結腸)
解説
✗ 1. 誤り
十二指腸
十二指腸は小腸の起始部で後腹壁に癒着する腹膜後臓器。大腸特有の構造である腹膜垂は存在しない。小腸の十二指腸・空腸・回腸のいずれにも腹膜垂はみられない。
✗ 2. 誤り
回腸
回腸は小腸の末端部で、腸間膜と腸絨毛・パイエル板を持つが、大腸特有の腹膜垂・結腸ヒモ・膨起はない。したがって腹膜垂の分布部位としては誤り。
✓ 3. 正しい
横行結腸
横行結腸は大腸の一部で、盲腸・上行結腸・下行結腸・S状結腸などとともに漿膜面に腹膜垂を持つ。腹膜垂は脂肪組織を含む漿膜の小突起で、結腸ヒモや膨起(ハウストラ)とともに大腸の3大特徴を構成する。横行結腸は横行結腸間膜で支えられる可動性のある部位で、漿膜に腹膜垂が多数ぶら下がる。したがって本肢が正解である。大腸で腹膜垂を欠くのは直腸のみであり、盲腸・結腸全域に分布する点を押さえる。
✗ 4. 誤り
直腸
直腸は大腸の最終部で、S状結腸との境界付近で結腸ヒモは拡散・消失し、腹膜垂や膨起も同時にみられなくなる。上部直腸はわずかに腹膜で覆われるが、下部は後腹膜腔に位置し腹膜垂は存在しない。
ポイント
  • 腹膜垂は大腸(盲腸・結腸)の漿膜表面の脂肪性小突起で、直腸と小腸にはない。
  • 覚え方のコツ: 大腸3大特徴「結腸ヒモ・膨起・腹膜垂」を3点セットで記憶。直腸では3つとも消失する。
  • 関連知識: 横行結腸は腹腔上部を横走し、横行結腸間膜で後腹壁に連結。上行・下行結腸は腹膜後臓器で間膜を持たない。
  • よくある間違い: 小腸(回腸など)に腹膜垂があると誤認/直腸に腹膜垂があると誤解/上行・下行結腸の可動性を横行結腸と同一視する。
  • 臨床応用: 腹膜垂の茎捻転や虚血は腹膜垂炎(epiploic appendagitis)として急性腹症で受診。CTで脂肪濃度の小結節と周囲炎症像を呈する。
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題22|消化管で腹膜垂がみられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題22|消化管で腹膜垂がみられるのはどれか。
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