学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ C. 咽頭 / Q0275

理由で解く 解剖学

Q0275 消化器系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題22
問題
咽頭について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 咽頭筋は平滑筋からなる。
2 咽頭扁桃は咽頭上部にある。
3 後鼻孔で鼻腔とつながる。
4 脊柱の直前に位置する。
解答
正解1(咽頭筋は平滑筋からなる。)
解説
✓ 1. 誤り
咽頭筋は平滑筋からなる。
咽頭筋は消化管の他の部位と異なり骨格筋(横紋筋)で構成され、迷走神経(咽頭枝・上喉頭神経)と舌咽神経によって支配される。これは嚥下開始時の食塊送り込みが随意運動的要素を含み、咽頭収縮筋(上・中・下)と咽頭挙筋群が精密かつ素早い連動を必要とするためである。平滑筋による制御では嚥下反射の即時性と強度が得られないため、組織学的にも機能的にも平滑筋とする記述は誤りとなる。なお食道も上部1/3は骨格筋で、中部以下で徐々に平滑筋へ移行する。
✗ 2.
咽頭扁桃は咽頭上部にある。
✗ 正しい。 咽頭は上から鼻部(上咽頭)・口部(中咽頭)・喉頭部(下咽頭)に三分され、咽頭扁桃(アデノイド)は上咽頭の後壁に存在する。小児期に発達して10歳前後から萎縮し、過度に肥大すると鼻呼吸障害や滲出性中耳炎を来す。正しい記述である。
✗ 3.
後鼻孔で鼻腔とつながる。
✗ 正しい。 鼻腔の後端には左右一対の後鼻孔(choanae)があり、上咽頭(咽頭鼻部)に開口する。これにより鼻呼吸気は鼻腔→後鼻孔→上咽頭→中咽頭・下咽頭→喉頭へと導かれる。正しい記述である。
✗ 4.
脊柱の直前に位置する。
✗ 正しい。 咽頭は頸椎の前面、すなわち椎前筋膜と頸部脊柱に接する位置に垂直に走行する。頭蓋底から始まり第6頸椎の高さで食道に移行するため「脊柱の直前」という位置関係は正確である。正しい記述。
ポイント
  • 咽頭筋(咽頭収縮筋・咽頭挙筋)は骨格筋で、迷走神経・舌咽神経により随意的要素を含んで支配される。
  • 覚え方のコツ: 「咽頭は嚥下の最前線だから骨格筋」と機能で覚える。消化管の平滑筋化は食道中部以降。
  • 関連知識: 咽頭の3区分と扁桃分布—上咽頭(咽頭扁桃・耳管扁桃)、中咽頭(口蓋扁桃・舌扁桃)、下咽頭(扁桃なし)。Waldeyer咽頭輪を形成。
  • よくある間違い: 消化管=平滑筋という先入観で咽頭筋を平滑筋と誤認。食道も上部1/3は骨格筋であることと合わせて注意。
  • 臨床応用: 咽頭収縮筋の麻痺や協調不全は嚥下障害(球麻痺・偽性球麻痺)の原因となり、誤嚥性肺炎のリスクとなる。延髄の疑核・孤束核の障害で嚥下反射が消失する。
比較表
部位 別名 主な構造
咽頭鼻部 上咽頭 耳管咽頭口・咽頭扁桃(アデノイド)・耳管扁桃
咽頭口部 中咽頭 口蓋扁桃・舌扁桃・口峡
咽頭喉頭部 下咽頭 喉頭口・梨状陥凹(食道移行部)
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題22|咽頭について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題22|咽頭について誤っている記述はどれか。
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