学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ B. 口腔(歯・舌・唾液腺) / Q0267

理由で解く 解剖学

Q0267 消化器系

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題22
問題
舌について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 糸状乳頭の上皮は角化する。
2 舌根は咽頭の前壁の一部である。
3 内舌筋の支配神経は舌咽神経である。
4 舌扁桃は分界溝より後方にある。
解答
正解3(内舌筋の支配神経は舌咽神経である。)
解説
✗ 1.
糸状乳頭の上皮は角化する。
✗ 正しい。 糸状乳頭は舌背に密生する円錐状の突起で、先端の上皮が角化するため舌全体が白っぽく見える特徴を持つ。機械的な「なめ取り」機能を担い、4種の舌乳頭の中で唯一味蕾を欠く。記述自体は正しく、設問の「誤った記述」には該当しない。
✗ 2.
舌根は咽頭の前壁の一部である。
✗ 正しい。 舌は分界溝を境に前方の舌体と後方の舌根に分けられ、舌根は咽頭口部の前壁を構成する。嚥下時には舌根が挙上して口腔と咽頭を遮断し、食塊を食道へ誘導する。記述は正しく、設問の誤答には該当しない。
✓ 3. 誤り
内舌筋の支配神経は舌咽神経である。
舌の運動を司る筋は内舌筋(上縦舌筋・下縦舌筋・横舌筋・垂直舌筋)と外舌筋(オトガイ舌筋・舌骨舌筋・茎突舌筋など)に分けられるが、いずれも運動支配は舌下神経(Ⅻ)が担う。舌咽神経(Ⅸ)は舌後1/3の味覚と一般知覚、および茎突咽頭筋の運動を支配するのみで、舌筋自体の運動には関与しない。したがって本肢は事実として誤っており、設問の「誤った記述はどれか」に対する正解である。舌下神経麻痺では舌を突出させると麻痺側に偏位(麻痺側は収縮できず健側の筋に押される)し、意識障害時は舌根沈下による気道閉塞を起こしうる。
✗ 4.
舌扁桃は分界溝より後方にある。
✗ 正しい。 舌根部の粘膜には乳頭がなく、リンパ組織の集合である舌扁桃のイボ状隆起が見られる。舌扁桃は分界溝より後方の舌根表面に分布し、口蓋扁桃・咽頭扁桃・耳管扁桃とともにワルダイエルの咽頭輪を形成する。記述は正しく、設問の誤答には該当しない。
ポイント
  • 舌筋(内舌筋・外舌筋とも)の運動支配は舌下神経(Ⅻ)。舌咽神経(Ⅸ)は舌筋の運動には関与しない。
  • 覚え方のコツ: 舌の支配神経は「運動=下(Ⅻ舌下)、前2/3味覚=顔面(Ⅶ)、後1/3味覚+知覚=舌咽(Ⅸ)」の3層で整理。
  • 関連知識: 舌乳頭は糸状・茸状・有郭・葉状の4種。味蕾は有郭・葉状・茸状に分布し、糸状乳頭にはない。
  • よくある間違い: 舌咽神経が内舌筋を支配すると誤認/分界溝と舌扁桃・有郭乳頭の位置関係を逆に覚える。
  • 臨床応用: 舌下神経麻痺では舌を突出させると麻痺側へ偏位。意識障害や全身麻酔での気道管理では舌根沈下に注意し、下顎挙上や側臥位で気道確保を行う。
比較表
舌の神経 神経番号 機能 支配範囲
舌下神経 運動 舌筋すべて(内舌筋・外舌筋)
顔面神経(鼓索神経) 味覚 舌前2/3
舌神経(三叉神経V₃枝) 一般知覚 舌前2/3
舌咽神経 味覚+一般知覚 舌後1/3
迷走神経 味覚+知覚 喉頭蓋付近
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題22|舌について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題22|舌について誤っている記述はどれか。
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