学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ A. 血管系(総論) / Q0071

理由で解く 解剖学

Q0071 循環器系

出典:鍼灸 第18回(2010) 問題22
問題
血管の構造について正しい記述はどれか。
選択肢
1 心臓に近い大血管では弾性線維よりも平滑筋線維が多い。
2 顔面の静脈は弁が豊富である。
3 門脈の構造は静脈と同じである。
4 毛細血管には平滑筋が含まれる。
解答
正解3(門脈の構造は静脈と同じである。)
解説
✗ 1. 誤り
心臓に近い大血管では弾性線維よりも平滑筋線維が多い。
心臓に近い大動脈や肺動脈幹などの大血管は、平滑筋線維よりも「弾性線維」が多い弾性型動脈である。拍動による高圧を弾性で吸収し血流を平滑化するWindkessel作用をもつ。平滑筋線維が優位になるのは末梢の中動脈・小動脈(筋型動脈)で、血圧調節の主役となる。
✗ 2. 誤り
顔面の静脈は弁が豊富である。
顔面の静脈は弁がほとんど存在しない特徴的な静脈である。このため眼角静脈や顔面静脈の感染は逆行性に海綿静脈洞へ波及し、海綿静脈洞血栓症を起こすリスクがある。弁が豊富なのは重力に逆らって還流する下肢の静脈である。
✓ 3. 正しい
門脈の構造は静脈と同じである。
門脈は消化管・脾臓・膵臓からの静脈血を集めて肝臓へ運ぶ血管で、組織学的構造は通常の静脈(内膜・中膜・外膜の3層、平滑筋は少なく弁はほとんどない)と同じである。静脈でありながら毛細血管(腸・脾)と毛細血管(肝類洞)を両端にもつ「両端毛細血管系」である点が機能上の特徴で、この構造により肝臓が消化管からの栄養素を最初に処理する門脈循環が成立する。
✗ 4. 誤り
毛細血管には平滑筋が含まれる。
毛細血管は1層の内皮細胞と基底膜のみからなり、中膜(平滑筋)を欠く。物質交換が毛細血管の主機能で、薄い壁が拡散に有利である。平滑筋を備えた細動脈・後毛細血管細静脈が毛細血管前後で血流量を調節する。
ポイント
  • 門脈は組織学的には通常の静脈と同じ壁構造(内膜・中膜・外膜)をもち、両端に毛細血管網をもつ特殊な循環路である。
  • 覚え方のコツ: 「大血管=弾性、中・小動脈=筋性、毛細血管=平滑筋なし」で機能と構造を対応付ける。
  • 関連知識: 心臓に近い大動脈は弾性型、末梢は筋型、毛細血管は内皮+基底膜のみ、門脈は通常の静脈構造。顔面静脈は弁を欠く。
  • よくある間違い: 大動脈を「平滑筋が多い」と誤認する。大動脈は弾性線維豊富で拍動緩衝。
  • 臨床応用: 肝硬変では門脈圧亢進により食道静脈瘤・腹壁静脈怒張・痔静脈瘤(メズサの頭)が生じる。門脈大循環シャントが重要。
比較表
血管 中膜の主成分 主な機能
弾性型動脈(大動脈・肺動脈幹) 弾性線維が優位 拍動緩衝・Windkessel作用
筋型動脈(中・小動脈) 平滑筋が優位 血流量・血圧調節
細動脈 平滑筋数層 末梢抵抗の主役
毛細血管 中膜なし(内皮+基底膜) 物質・ガス交換
静脈・門脈 平滑筋少、弁あり(四肢)/なし(顔面・門脈) 低圧還流
解説画像
鍼灸 第18回(2010) 問題22|血管の構造について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第18回(2010) 問題22|血管の構造について正しい記述はどれか。
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