学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ A. 血管系(総論) / Q0070

理由で解く 解剖学

Q0070 循環器系

出典:鍼灸 第3回(1995) 問題26
問題
血管について正しい記述はどれか。
選択肢
1 動脈の中膜には発達した平滑筋がある。
2 毛細血管内皮は単層立方上皮である。
3 下肢の動脈には弁がある。
4 静脈は動脈に比べて壁が厚い。
解答
正解1(動脈の中膜には発達した平滑筋がある。)
解説
✓ 1. 正しい
動脈の中膜には発達した平滑筋がある。
動脈壁は内膜・中膜・外膜の3層からなり、中膜には輪走する平滑筋と弾性線維が発達する。中膜平滑筋の収縮・弛緩により血管径を変化させて血圧・血流を調節する。大動脈など太い弾性型動脈では弾性線維が優位で、細い筋型動脈では平滑筋が優位となる点にも違いがある。
✗ 2. 誤り
毛細血管内皮は単層立方上皮である。
毛細血管の内皮は単層扁平上皮で構成される。単層立方上皮ではない。きわめて薄い内皮細胞1層と基底膜のみからなる構造が、物質交換に適している。
✗ 3. 誤り
下肢の動脈には弁がある。
弁があるのは動脈ではなく静脈で、特に下肢の静脈に発達する。動脈は高い血圧で常に一方向に血液が流れるため弁は不要である。
✗ 4. 誤り
静脈は動脈に比べて壁が厚い。
静脈壁は動脈よりも薄く、特に中膜の平滑筋・弾性線維が動脈より発達が弱い。内腔は相対的に広く、伴行動脈との比較では壁が薄く潰れやすい。
ポイント
  • 動脈の中膜は平滑筋と弾性線維が発達し、血圧調節の主役となる。
  • 覚え方のコツ: 「動脈は厚くて弁なし、静脈は薄くて弁あり」と対で覚える。弁があるのは静脈のみ、逆流防止装置として下肢で発達。
  • 関連知識: 血管内皮・リンパ管内皮・心内膜・肺胞上皮はすべて単層扁平上皮。動脈系は弾性型(大動脈)から筋型(中小動脈)へと移行し、さらに細動脈・毛細血管となる。
  • よくある間違い: 毛細血管内皮を立方上皮と誤記する/動脈に弁があると誤認する/静脈壁を動脈より厚いと逆に覚える。
  • 臨床応用: 動脈硬化は中膜・内膜にアテロームが沈着し、血管弾性を失わせる。下肢静脈弁の機能不全は静脈瘤を生じ、血液うっ滞や浮腫の原因となる。
比較表
項目 動脈 静脈 毛細血管
壁の厚さ 厚い 薄い 内皮1層のみ
中膜 平滑筋・弾性線維発達 発達弱い なし
なし あり(特に下肢) なし
内腔 狭め 広め(潰れやすい) 毛細管径
機能 送血・血圧調節 還流・貯血 物質交換
解説画像
鍼灸 第3回(1995) 問題26|血管について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第3回(1995) 問題26|血管について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手