学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ A. 細胞 / Q0001

理由で解く 解剖学

Q0001 人体の構成

出典:あマ指 第4回(1996) 問題16
問題
細胞について正しい記述はどれか。
選択肢
1 細胞は分化することによって増殖する。
2 染色体は細胞質に含まれる。
3 生殖細胞は減数分裂を行う。
4 すべての細胞は1 個の核を持つ。
解答
正解3(生殖細胞は減数分裂を行う。)
解説
✗ 1. 誤り
細胞は分化することによって増殖する。
細胞は「分裂」することによって増殖する。分化は、未熟な細胞が神経細胞・筋細胞・上皮細胞など特定の形態・機能を獲得していく過程であり、増殖とは別の概念である。
✗ 2. 誤り
染色体は細胞質に含まれる。
染色体は細胞質ではなく「核内」に含まれる。核内には糸状あるいは粒状の染色質(DNAとタンパク質の複合体)が分散しており、細胞分裂の際に凝集して染色体として可視化される。細胞質には小胞体・ミトコンドリア・ゴルジ装置などの細胞小器官が存在し、染色体は核膜によって細胞質から隔てられている。
✓ 3. 正しい
生殖細胞は減数分裂を行う。
減数分裂は生殖細胞(精子・卵子)をつくるときに起こる特殊な細胞分裂で、DNA複製後に第一次分裂と第二次分裂の2回が連続し、最終的にDNA量も染色体数も体細胞の半分である23本(1セット)となる。受精により精子と卵子が融合すると46本(2セット)の染色体数が復元される。体細胞分裂が46本→46本であるのに対し、減数分裂は46本→23本となる点が決定的に異なり、次世代への遺伝情報伝達と染色体数の恒常性維持に必須の仕組みである。
✗ 4. 誤り
すべての細胞は1 個の核を持つ。
成熟赤血球は脱核して無核、分葉核の白血球は複数の固まりに分かれた核を持ち、骨格筋線維は筋芽細胞が融合した多核細胞である。このように「1細胞1核」でない特殊な細胞が存在する。
ポイント
  • 生殖細胞(精子・卵子)は減数分裂を行い、染色体数を体細胞の半分(23本)にする。
  • 覚え方のコツ: 「増殖=分裂/成熟=分化」でセットで記憶。減数分裂は「46→23=半分になる」、体細胞分裂は「46→46=変わらない」と数で対比する。
  • 関連知識: 受精により精子23本+卵子23本=46本に復元。骨格筋線維は多核、成熟赤血球は無核で「1細胞1核」の例外。
  • よくある間違い: 「分化=増殖」と誤解する/染色体を細胞質の構造と混同する/「すべての細胞が1核」と決めつけて赤血球・骨格筋の例外を見落とす。
  • 臨床応用: 減数分裂の不分離はダウン症(21トリソミー)・ターナー症候群など染色体異常症の原因となり、高齢妊娠で頻度が上昇する。
比較表
項目 体細胞分裂 減数分裂
対象細胞 体細胞 生殖細胞(精子・卵子)
分裂回数 1回 第一次・第二次の連続2回
DNA複製 1回 1回
娘細胞の染色体数 46本(2n、維持) 23本(n、半減)
生物学的意義 増殖・組織維持 次世代への遺伝情報伝達
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題16|細胞について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題16|細胞について正しい記述はどれか。
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