学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ32A060

理由で解く 柔道整復師

QJ32A060 解剖学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午前 問60
問題
中硬膜動脈が通るのはどれか。
選択肢
1 正円孔
2 破裂孔
3 卵円孔
4 棘孔
解答
正解4(棘孔)
解説

中硬膜動脈は蝶形骨大翼の棘孔を通って中頭蓋窩に入ります。

中硬膜動脈は外頸動脈の終枝である顎動脈から分かれ、棘孔をくぐって頭蓋内へ入り、硬膜と頭蓋骨の間を樹枝状に広がって硬膜と頭蓋冠の骨を養います。臨床上の重要点はここから。側頭部の翼点(前頭骨・頭頂骨・側頭骨・蝶形骨が集まる部位)は頭蓋骨で最も薄く、その内面には中硬膜動脈の走る溝が刻まれています。そのためこの部を打撲して骨折すると動脈が破れ、動脈圧で硬膜が骨から剥がされて急性硬膜外血腫になります。意識清明期をはさんで急激に悪化するのが典型で、側頭部の外傷では必ず頭に置いておくべき経過です。中頭蓋窩の3孔の並びは「正円孔(V2)→ 卵円孔(V3)→ 棘孔(中硬膜動脈)」でセット暗記します。

✓ 4. 正しい
棘 孔
蝶形骨大翼の3孔のうち最も後外側にある小孔で、中硬膜動脈と、下顎神経から分かれて頭蓋内へ戻る硬膜枝(棘孔神経)が通ります。
✗ 1. 誤り
正円孔
三叉神経第2枝の上顎神経(V2)が通り、翼口蓋窩へ向かいます。動脈の通路ではありません。
✗ 2. 誤り
破裂孔
生体では線維軟骨でふさがれており、内頸動脈は頸動脈管から出てこの孔の「上」を通過します。大錐体神経が通る部位でもあります。
✗ 3. 誤り
卵円孔
三叉神経第3枝の下顎神経(V3)が通り、側頭下窩へ出ます。棘孔のすぐ前内側にあるので混同しやすい組合せです。
ポイント
  • 棘孔=中硬膜動脈の通り道(蝶形骨大翼)
  • 中硬膜動脈は顎動脈(外頸動脈系)の枝
  • 棘孔には下顎神経の硬膜枝(棘孔神経)も一緒に通る
  • 並びは前から 正円孔(V2)・卵円孔(V3)・棘孔(中硬膜動脈)
  • 翼点の骨折→中硬膜動脈損傷→急性硬膜外血腫
比較表
通過するもの所在
正円孔上顎神経(V2)蝶形骨大翼
卵円孔下顎神経(V3)蝶形骨大翼
棘孔中硬膜動脈、下顎神経の硬膜枝(棘孔神経)蝶形骨大翼
破裂孔(軟骨で閉鎖)大錐体神経/内頸動脈は上を通過蝶形骨・側頭骨・後頭骨の間
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