学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §1 診察概論 / QJ29P024

理由で解く 柔道整復師

QJ29P024 一般臨床医学

出典:第29回柔道整復師国家試験(2021)午後 問24
問題
診察で誤っているのはどれか。
選択肢
1 患者は客観的に診察する。
2 医療面接では他覚所見を確認する。
3 診断した疾患に対して治療する。
4 治療後の経過は診療録に記載する。
解答
正解2(医療面接では他覚所見を確認する。)
解説

医療面接(問診)は、患者本人が語る「自覚症状=主観的情報」を集める場である。他覚所見は視診・触診・打診・聴診などの身体診察で確かめるものなので、役割が入れ替わっている2が誤り。

診察は「医療面接 → 身体診察 → 検査 → 診断 → 施術・治療 → 記録」という一本の流れで進む。医療面接で得られるのは主訴・現病歴・既往歴・家族歴・生活歴など、患者が自分で感じて言葉にできる情報(symptom=自覚症状)である。これに対し腫脹・変形・熱感・可動域制限・反射異常などは、検者が五感で捉えて初めて分かる他覚所見(sign)であり、身体診察の担当領域になる。「聞いて分かること=自覚症状」「診て触って分かること=他覚所見」と二分して覚えておくと、この形式の設問で迷わなくなる。なお医療面接は情報収集だけでなく、信頼関係(ラポール)の形成と患者教育も担う点も押さえておきたい。

✓ 2. これが誤り(正解)
医療面接では他覚所見を確認する。
医療面接で確認するのは、痛み・しびれ・受傷機転・日常生活の困りごとといった自覚症状である。他覚所見は続く身体診察(視診・触診・打診・聴診、徒手検査)で確かめる。両者の担当が逆転しているため、これが設問の「誤っているもの」にあたる。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
患者は客観的に診察する。
先入観や思い込みを排し、得られた事実に基づいて判断するのが診察の原則である。「いつもの腰痛だろう」と決めつけると重篤な疾患を見落とすため、毎回ゼロから所見を取り直す姿勢が求められる。記述として正しく、答えにはならない。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
診断した疾患に対して治療する。
診断(病態の見立て)があって初めて治療方針が決まる、という順序は正しい。柔道整復師の場合は業務範囲内で施術を行い、範囲を超えると判断したときは速やかに医師へ紹介するという形でこの原則を実践する。記述として正しく、答えにはならない。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
治療後の経過は診療録に記載する。
経過の記録は、治療効果の判定、方針変更の根拠、他職種との情報共有、そして法的な証拠として不可欠である。柔道整復師も施術録に受傷機転・所見・施術内容・経過を残す。記述として正しく、答えにはならない。
ポイント
  • 医療面接=自覚症状(患者が語る主観的情報)を集める場。他覚所見は身体診察で確認する。
  • 診察の流れは「医療面接 → 身体診察 → 検査 → 診断 → 治療 → 記録」。順序で覚える。
  • symptom(自覚症状)と sign(他覚所見)の区別が、この形式の設問を解く鍵。
  • 客観性の保持、診断に基づく治療、経過の記録は診察の基本原則。
  • 医療面接には情報収集に加え、ラポール形成と患者教育の役割がある。
比較表
場面集める情報具体例
医療面接(問診)自覚症状(symptom)=主観的情報主訴、現病歴、受傷機転、既往歴、家族歴、生活歴、服薬歴
身体診察他覚所見(sign)=客観的情報視診(腫脹・変形・皮膚色)、触診(圧痛・熱感)、打診、聴診、可動域、徒手検査、反射
臨床検査数値・画像として可視化した客観的情報血液検査、尿検査、エックス線、超音波、MRI
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