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論文紹介:Acupuncture for adults with overactive bladder: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials「成人の過活動膀胱に対する鍼治療:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス」

引用論文

Zhao, Y., Zhou, J., Mo, Q., Wang, Y., Yu, J., & Liu, Z. (2018). Acupuncture for adults with overactive bladder: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Medicine, 97(8), e9838. https://doi.org/10.1097/MD.0000000000009838 

Acupuncture for adults with overactive bladder: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
「成人の過活動膀胱に対する鍼治療:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス」

研究背景

過活動膀胱(OAB)は尿意切迫感、頻尿、夜間頻尿を主徴とし、成人で5.2~22%の有病率を示します。薬物療法(抗コリン薬、β₃作動薬)や行動療法が主流ですが、副作用や再発、奏効率の限界が課題となっています。近年、鍼治療は侵襲性が低く持続可能な補完療法として注目され、複数のランダム化比較試験(RCT)が実施されていますが、介入法や評価指標のばらつきが大きく、エビデンスの統合的評価が求められていました 

目的

本レビューの目的は、成人OAB患者に対する鍼治療(手技鍼、電気鍼、温鍼など)の有効性および安全性を、偽鍼・薬物療法・薬物併用鍼の各対照群との比較で系統的に評価し、メタアナリシスにより統合的に検証することです 

方法

2017年8月15日までに発表された英語・中国語のRCTをMEDLINE、EMBASE、CENTRAL、CNKIなど9データベースで検索し、厳格な参加基準(成人OAB診断)と介入基準(鍼治療単独または他治療併用)を満たす10試験(参加者794名)を選定。主要アウトカムは24時間あたりの排尿回数、尿失禁回数、夜間排尿回数とし、品質評価はCo­chraneリスクオブバイアスとSTRICTA基準に基づいて実施しました 

結果

  • EA vs 偽EA:夜間排尿回数の減少では電気鍼(EA)が偽電気鍼を上回る傾向(p<0.05)が見られたものの、24時間排尿・失禁回数全般では有意差を示さず 

  • EA vs 薬物:トルテロジンやソリフェナシンと比較した3試験では、排尿症状の改善に両者に有意差は認められなかったが、生活の質スコアではEA群に優位性が示唆された 

  • EA+薬物 vs 薬物単独:トルテロジン併用群で排尿回数・失禁回数のさらなる改善、および最大膀胱容量(MCC)・QOLの向上が認められた(2試験プール解析) 

  • 安全性:794例中15例の軽度皮下出血などの副反応のみ報告され、重篤事象は皆無であった 

考察

本レビューはEA単独・偽EA対照・薬物対照・薬物併用対照の多様なRCTを統合しましたが、サンプルサイズ不足・バイアスリスク・評価指標の多様性により決定的結論には至りませんでした。特に偽EAの心理効果排除や、長期フォローアップ・盲検化の徹底が今後の研究設計で必須とされます。また、EAはOAB治療薬と同等の効果を示しうる可能性があるものの、高品質大規模RCTによる再検証が求められます 

結論

鍼治療はOABの排尿回数・失禁回数・夜間排尿回数の改善、QOL向上に一定の効果を示し、安全性も高いと考えられます。しかし、現時点では単独または併用効果を確定するにはエビデンスが不十分であり、今後は盲検化・大規模化・長期追跡を伴うRCTの実施が必要です 

使用経穴

本レビューに含まれる臨床試験では、いずれも以下の領域を中心とした鍼治療が行われています(報告のあった主要文献はTable 1をご参照ください) 

  • BL28(膀胱兪)

  • BL23(腎兪)

  • BL32(次髎)

  • CV3(中極)

  • CV4(関元)

  • SP6(三陰交)