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論文紹介:Traditional acupuncture and laser acupuncture in chronic nonspecific neck pain: study protocol for a randomized controlled trial「慢性非特異的頚部痛における伝統鍼治療およびレーザー鍼治療:ランダム化比較試験プロトコール」

引用論文

Peron, R., Rampazo, É. P., & Liebano, R. E. (2022). Traditional acupuncture and laser acupuncture in chronic nonspecific neck pain: Study protocol for a randomized controlled trial. Trials, 23(1), 408. https://doi.org/10.1186/s13063-022-06349-Y


Traditional acupuncture and laser acupuncture in chronic nonspecific neck pain: study protocol for a randomized controlled trial
「慢性非特異的頚部痛における伝統鍼治療およびレーザー鍼治療:ランダム化比較試験プロトコール」

本研究は、慢性(3か月以上持続)かつ原因が特定できない頚部痛患者に対し、「伝統的な鍼治療(TA)」と「レーザー鍼治療(LA)」、および偽介入の「Shamレーザー」群を比較する単盲検ランダム化並行3群試験のデザインを詳細に述べたプロトコール論文です。慢性頚部痛は全世界で有病率が高く、痛みの長期化に伴う筋・関節機能障害や心理的ストレス、労働生産性低下が問題視されている一方で、薬物療法のみでは十分な鎮痛や機能改善が得られない症例も少なくありません。本研究は、非侵襲的かつ安全性の高い2つの鍼治療モダリティを直接比較し、どちらがより優れた疼痛緩和と機能回復をもたらすかを明らかにすることを目的としています 。

対象とデザイン

  • 対象:18歳以上で、頚部痛が3か月以上持続し、かつ画像診断や神経学的検査で特異的病変を認めない84名の成人。

  • ランダム化と盲検化:被験者はTA群、LA群、Sham群に28名ずつ無作為配分。介入後の主要アウトカム評価者は介入グループを知らない設計(単盲検)です。

介入プロトコール

  • Traditional Acupuncture(TA)群

    • ステンレス単刺鍼を用い、以下の4穴に刺鍼後30分保持。刺入時には軽微な得気(Deqi)を誘発。

  • Laser Acupuncture(LA)群

    • 波長約830 nmの低出力レーザーを同じ4穴に20–30秒ずつ照射。出力は200 mW以下。

  • Sham(偽レーザー)群

    • レーザー装置は同様に配置するが動作せず、被験者には同一の照射感を装置音のみで擬似的に提示。

使用経穴

全群共通で、左右両側に下記4穴を使用:

  1. 天柱 (BL-10, Tianzhu):頚部後方の筋緊張緩和を狙う。

  2. 風池 (GB-20, Fengchi):頭頚部の血流改善、三叉神経の痛覚入力抑制。

  3. 肩井 (GB-21, Jianjing):僧帽筋の緊張緩和と肩甲帯周囲の循環促進。

  4. 肩中兪 (SI-15, Jianzhongshu):頚肩部の筋筋膜リリースを補助。 。

評価項目と解析計画

  • 主要アウトカム:痛み強度の数値評価スケール(NRS)。

  • 副次アウトカム:圧痛閾値(PPT)、痛みの持続時間合計(TS)、条件付け痛み抑制(CPM)、鎮痛薬使用量、患者全体評価(GPE)。

  • 評価時期:介入前、介入直後、介入後1か月フォローアップ。

  • 統計解析:各アウトカムの群間比較を反復測定分散分析(repeated measures ANOVA)および必要に応じた事後検定で検証。欠測値には混合効果モデルを適用予定。

期待される意義と展望

  1. 治療選択のエビデンス構築:TAとLAを同一デザインで比較する初の試みとして、慢性頚部痛治療のエビデンスレベルを向上させる。

  2. 非侵襲的代替療法の評価:レーザー鍼の有効性が確認されれば、針刺を好まない患者や抗凝固薬服用者にも適用可能となる。

  3. 臨床適用ガイドラインへの貢献:疼痛緩和効果の持続性や副作用プロファイルを詳細に解析することで、臨床ガイドラインへの反映が期待される。

  4. 将来的研究への基盤:本プロトコールは多施設共同試験や前向き長期フォロー研究への展開を念頭に置いており、慢性疼痛管理全般への応用可能性を拓きます。

以上の詳細なプロトコール設計により、本研究は慢性非特異的頚部痛に対する鍼治療戦略の最適化と、補完代替医療の臨床導入推進に大きく寄与すると考えられます。