
この図の解説
この図は、細胞が細菌などの異物を丸ごと取り込むエンドサイトーシス(細胞内取り込み)の流れを、①→②→③の順で追っている。まず①細菌などの異物が細胞膜(脂質二重層)に接する。すると②接した部分の細胞膜がくびれて内側へ落ち込み、異物を包み込むように陥入する。最後に③くびれた根本がちぎれて、異物は脂質二重層に包まれた袋の形で細胞質内へ取り込まれ、これを食胞と呼ぶ。図では上側が細胞外液、下側が細胞質で、膜輸送の中でも細胞膜そのものを使う細胞運動の一種であることが読み取れる。単純拡散やチャネルが小さな分子やイオンを通すのに対し、食作用は細菌や死んだ細胞のような大きな異物を膜ごと包む点が本質的な違いである。
学習の要点
- 食作用は、細菌や死んだ細胞などの大きな異物を細胞膜で包み込み、食胞として細胞内に取り込む膜輸送(細胞運動)である。
- 覚え方のコツ: 「接する→くびれる→ちぎれて食胞」の3ステップ。取り込む向きが「外→中」なのがエンド(endo=内)サイトーシス。
- 関連知識: 取り込まれた食胞はリソソームと癒合し、内部の加水分解酵素で消化される。大食細胞(マクロファージ)や好中球はこの食作用が旺盛な細胞。
- よくある間違い: 小さな物質が膜の一部の陥入で飲小胞として入るのは飲作用。大きな異物を包むのが食作用で、両者を混同しやすい。
- 臨床応用: 傷口に細菌が侵入すると好中球が動員され食作用で細菌を処理する。感染時に白血球が増えるのはこのため。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
食作用によって細菌などの異物が脂質二重層に包まれた形で細胞内に取り込まれると、それは( )と呼ばれる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 食胞
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。