
この図の解説
図はマクロファージ(大食細胞)が異物を取り込んでから免疫応答を起こすまでを5段階で追っている。①緑色の細菌が偽足で包まれて小胞に取り込まれ(貪食)、②細胞内のリソソーム(加水分解酵素)で断片へ分解される(細胞内消化)。③その断片を青いMHCクラスII分子に載せて細胞表面に掲げるのが抗原提示で、④ヘルパーT細胞がその情報を読み取り、⑤周囲の免疫細胞へ指令を出して免疫応答が始まる。図右のピンク色のリソソームと、細胞膜上に並ぶMHCクラスIIの位置関係を確認したい。教科書では大食細胞を、食作用で死んだ細胞や細菌を処理する「組織の掃除役」であると同時に、処理した異物の種類をリンパ球に教える(抗原提示)細胞として位置づけている。単なる貪食にとどまらず情報を橋渡しする点が、この図で押さえるべき核心。
学習の要点
- マクロファージは異物を貪食・分解し、その断片をMHC分子に載せてヘルパーT細胞へ示す抗原提示を行う細胞である
- 覚え方のコツ: 「食べて(貪食)→刻んで(リソソーム消化)→見せる(MHC提示)→伝える(T細胞→免疫応答)」の4動詞で順序を固定する
- 関連知識: マクロファージは血液中の単球が血管外へ出て変身したもの。抗原情報を得たTリンパ球はBリンパ球を形質細胞へ分化させ、形質細胞が抗体を産生する
- よくある間違い: 抗原を載せる分子はMHC(主要組織適合遺伝子複合体)であって抗体ではない。抗体を作るのは大食細胞ではなく形質細胞
- 臨床応用: 炎症や感染の場ではマクロファージが集まり、異物処理と抗原提示で生体防御の第一線として働く
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
マクロファージの細胞質に多数含まれ、取り込んだ異物を加水分解酵素で分解して細胞内消化を行う細胞小器官を( )という。
答えを見る
答え: リソソーム
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。