
この図の解説
この図「ニューロン結合の基本形」は、ニューロン同士がシナプスでどう連絡し合うかの型を並べたものである。まず注目したいのは色分けで、オレンジの記号が興奮性ニューロン、青が抑制性ニューロンを表す。左上の興奮性結合では、AからBへ伝わるとシナプス後膜が脱分極してEPSPが生じ、閾値に達するとBに活動電位が発生する。抑制性結合(シナプス後抑制)では後膜が過分極してIPSPが生じ、Bは興奮しにくくなる。中段のシナプス前抑制・前促通は、第三のニューロンがA終末に働きかけてA→B間の伝達効率そのものを増減させる型である。右段の反回性抑制・促通は、自らの軸索側枝が戻って自己の活動を安定化・持続させる型を示す。下段の脱抑制は、抑制性ニューロンをさらに抑えて抑制を解除する二重否定の関係を、脱促通は促通性(興奮性)ニューロンを抑えてその働きを弱める関係を表している。神経系はこうしたニューロン連鎖の集合体であり、感覚・運動・自律の各機能はこの連鎖による興奮伝達の結果である。
学習の要点
- ニューロンとニューロンの接点はシナプスで、興奮伝達は神経終末→シナプス間隙→次のニューロンへと進む一方向性である。神経系はこのニューロン連鎖が束をなした伝導路の集合として働く。
- 覚え方のコツ:オレンジ=興奮(EPSP・脱分極でプラス方向)、青=抑制(IPSP・過分極でマイナス方向)と、色と電位変化をセットで覚える。
- 関連知識:シナプス前抑制は脊髄後角で痛覚などの感覚入力を調整する働きが代表例で、反回性抑制は脊髄前角の運動ニューロンが側枝を介して自己の興奮を鎮める型として知られる。
- よくある間違い:シナプス前抑制と抑制性結合(シナプス後抑制)の混同。前抑制はA→Bの伝達量を減らす調整で、後抑制はB自体を過分極させて興奮しにくくする点が違う。
- 臨床応用:抑制系が破綻すると過剰興奮が生じる。抑制性シナプスの働きが失われると筋の緊張が異常に高まり、けいれんなどの症状につながる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
1個の神経細胞とその突起を含めてニューロンと呼び、ニューロンとニューロンの接点を( )という。ここでの興奮伝達は一方向性である。
答えを見る
答え: シナプス
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。