学習トップ理由で解く 生理学第11章 ▸ C. 筋のエネルギー供給の仕組み / Q0802

理由で解く 生理学

Q0802 筋

出典:あマ指 第25回(2017) 問題35
問題
筋収縮においてATPのエネルギーを必要とするのはどれか。
選択肢
1 横行小管の電気的興奮
2 筋小胞体からのカルシウムイオンの放出
3 トロポニンとカルシウムイオンの結合
4 ミオシン頭部の変位
解答
正解4(ミオシン頭部の変位)
解説
✗ 1. 誤り
横行小管の電気的興奮
横行小管(T管)の電気的興奮は、筋鞘膜から伝わった活動電位がNa⁺チャネルの開口による受動的な脱分極として伝導する過程であり、ATP消費を直接必要としない。
✗ 2. 誤り
筋小胞体からのカルシウムイオンの放出
筋小胞体からのCa²⁺放出は、リアノジン受容体(Ca²⁺放出チャネル)の開口による濃度勾配に従った受動的拡散であり、ATPは不要である。
✗ 3. 誤り
トロポニンとカルシウムイオンの結合
トロポニンCとCa²⁺の結合は化学的親和力に基づく自発的な結合反応であり、ATPの消費を必要としない。
✓ 4. 正しい
ミオシン頭部の変位
ミオシン頭部の変位(クロスブリッジサイクル)にはATPのエネルギーが必要である。ATPがミオシン頭部に結合するとアクチンから解離し、続いてATPがADPとPiに加水分解されることでミオシン頭部がコック位置(高エネルギー状態)に復帰し、次の結合・滑走に備える。ATPなしではミオシン頭部がアクチンから解離できず、硬直状態となる。
ポイント
  • 覚え方のコツ: 「興奮収縮連関の初期段階(T管興奮→Ca²⁺放出→トロポニン結合)はATP不要」「実際の力学的運動(ミオシン頭部の動き)にATPが必要」と段階を分けて覚える。
  • 関連知識: 問題780と同テーマであり、Ca²⁺放出がATP不要、Ca²⁺回収がATP必要、ミオシン頭部の運動がATP必要という3点を併せて整理する。
  • よくある間違い: 「Ca²⁺放出にもATPが要る」と誤解するケース。放出は受動的、回収は能動的(ATP必要)と方向性で区別する。
  • 教科書では「a.筋収縮のエネルギー代謝」の範囲に該当する。
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題35|筋収縮においてATPのエネルギーを必要とするのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題35|筋収縮においてATPのエネルギーを必要とするのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 生理学
App Store入手