
この図の解説
図は視床下部→下垂体前葉→副腎皮質と縦に並ぶ3階建ての指令系統を、上から下への青い矢印で示している。まず概日リズムや各種ストレスが視床下部を刺激し、①視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が放出される。CRHは下垂体門脈に乗って下垂体前葉へ運ばれ、②前葉からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を放出させる。ACTHは血流に乗って副腎皮質に届き、③束状帯からコルチゾルを分泌させる。分泌されたコルチゾルは全身に運ばれ、④血糖値上昇・糖新生促進・抗炎症・免疫抑制など多彩な作用を発揮する。同時に、右側の赤い線が示すように、⑤コルチゾルは上位の下垂体前葉と視床下部に戻ってCRH・ACTHの分泌を抑える。この「上から命じ、産物が上を抑える」ループが負のフィードバックで、ホルモン量を一定に保つ仕組みである。青矢印(促進)と赤線+⊖(抑制)を見分けるのが図読解の要点となる。
学習の要点
- 中核要点:コルチゾル分泌は「視床下部CRH→下垂体前葉ACTH→副腎皮質コルチゾル」の3段階の軸(HPA軸)で調節され、産物のコルチゾルが上位を抑える負のフィードバックが働く。
- 覚え方のコツ:頭文字が上から順にC→A→C(CRH・ACTH・コルチゾル)。臓器も上(視床下部)→中(下垂体)→下(副腎)と重力どおりに落ちていくと覚える。
- 関連知識:ACTHは束状帯のコルチゾル分泌を最も強く促すが、網状帯の副腎アンドロゲン、球状帯のアルドステロンの分泌も促す(ただしアルドステロンへの作用は弱い)。
- よくある間違い:負のフィードバックは「コルチゾルが副腎自身を抑える」のではなく、上位の下垂体前葉と視床下部を抑える点に注意。
- 臨床応用:コルチゾルを長期に外から投与すると負のフィードバックでACTH分泌が抑えられ、副腎皮質が萎縮する。急な中止で急性副腎不全を起こしうる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
下垂体前葉から分泌され、血流にのって副腎皮質を刺激しコルチゾルを分泌させるホルモンを( )という。
答えを見る
答え: ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。