
この図の解説
図は腎小体からヘンレループ・集合管まで1本のネフロンを引き伸ばし、各部位の壁を横切る物質の向きを矢印で示している。外向き(管の外へ戻す)矢印が再吸収、内向き(管の中へ捨てる)矢印が分泌で、うすい色が能動輸送、濃い色が受動輸送を表す。まず近位尿細管に注目すると、グルコース・アミノ酸・Na⁺・K⁺・Ca²⁺・HCO₃⁻に加えCl⁻・H₂O・尿素まで、体に必要な原尿成分の大半がここで外向きに戻される。原尿は1日約200リットル濾過されるが、実際の尿は2リットル以下で、この差の主役が近位尿細管の再吸収である。一方で内向き矢印を見ると、H⁺・PAH・ペニシリン・NH₃といった老廃物や薬物が管内へ分泌されている。遠位尿細管・集合管ではNa⁺やH₂Oがさらに戻され、ここはアルドステロンとバソプレッシン(抗利尿ホルモン)の調節を受ける点が要注意である。
学習の要点
- 再吸収は「必要なものを血液へ戻す」、分泌は「不要なものを尿へ捨てる」向き。図では外向き=再吸収、内向き=分泌と読む。
- 覚え方のコツ:「◯◯を再吸収するのは?」と問われたら、まず近位尿細管を答えれば大半が当たる。分泌される物質はNH₃・H⁺など「体に要らないもの」を選ぶ。
- 関連知識:集合管での水の再吸収はバソプレッシン(抗利尿ホルモン、下垂体後葉から分泌)が促進する。Na⁺再吸収は副腎皮質のアルドステロンが促進する。
- よくある間違い:グルコースやアミノ酸は分泌されるのではなく、近位尿細管で再吸収される。分泌はH⁺・NH₃・PAH・ペニシリンなど。
- 臨床応用:本来100%再吸収されるはずのグルコースが尿に出れば尿糖で、血糖が再吸収の上限を超えた状態を示唆する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
集合管での水の再吸収を促進し、尿量を減らすホルモンは( )である。
答えを見る
答え: バソプレッシン(抗利尿ホルモン)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。