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理由で解く 生理学

Q0320 消化と吸収

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題30
問題
ガストリンの胃に対する作用部位はどれか。
選択肢
1 壁細胞
2 主細胞
3 粘液細胞
4 平滑筋細胞
解答
正解1(壁細胞) または 2(主細胞) または 4(平滑筋細胞) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

ガストリンの胃に対する最も重要な作用は壁細胞を介した胃酸(塩酸)分泌の促進である。ただし主細胞・平滑筋細胞も作用部位にあたる。

ガストリンは胃幽門部粘膜のG細胞から分泌され、機械的・化学的刺激や迷走神経活動の亢進で分泌が増え、血流を介して胃に戻ってくる。壁細胞に作用すれば塩酸を、主細胞に作用すればペプシノゲンを分泌させ、平滑筋細胞に作用すれば胃の運動(幽門部の収縮)を高める。つまり壁細胞(胃酸)・主細胞(ペプシノゲン)・平滑筋細胞(胃の運動)のいずれもガストリンの作用部位にあたるが、国試で問われる主要な作用は壁細胞を介した胃酸分泌の促進である。一方、粘液細胞(副細胞)は粘液を分泌して粘膜を保護する細胞で、ガストリンの作用部位としては挙げられない。この問は出題時に 1・2・4 のいずれも正解とする措置がとられており、本アプリもその措置のとおりに採点する。

✓ 1. 正しい
壁細胞
壁細胞は塩酸(HCl)を分泌する細胞で、ガストリンはここに作用して胃酸分泌を促進する。これがガストリンの最も重要な作用であり、作用部位を一つだけ選ぶならこの肢である。壁細胞はガストリン・ヒスタミン・アセチルコリン(迷走神経)の3つの刺激で塩酸分泌が高まる。
✓ 2. 正しい
主細胞
主細胞はペプシノゲンを分泌する細胞で、ガストリンはこれにも作用してペプシノゲン分泌を促進する。本問では作用部位の一つとしてこの肢も正解として扱われている。もっとも、分泌されたペプシノゲンがペプシンに変わるには壁細胞由来の塩酸が必要で、主軸はやはり胃酸分泌の促進である。
✗ 3. 誤り
粘液細胞
粘液細胞(副細胞)はムチンを含む粘液を分泌して胃粘膜を自己消化から守る細胞である。粘液分泌は主にプロスタグランジンや迷走神経によって調節され、ガストリンの作用部位としては挙げられない。
✓ 4. 正しい
平滑筋細胞
胃の平滑筋細胞に対してもガストリンは作用し、胃(特に幽門部)の運動を亢進させて内容物の混和と送出を助ける。本問では作用部位の一つとしてこの肢も正解として扱われている。ただし運動促進は副次的な作用で、主要な作用は壁細胞を介した胃酸分泌の促進である。
ポイント
  • ガストリンの胃における主要な作用部位は壁細胞で、胃酸(塩酸)分泌の促進が最も重要な作用である
  • 補足:壁細胞(胃酸)・主細胞(ペプシノゲン)・平滑筋細胞(胃の運動)のいずれもガストリンの作用部位にあたるが、胃酸分泌促進が主要である
  • 粘液細胞(副細胞)は粘液を分泌して粘膜を保護する細胞で、ガストリンの作用部位としては挙げられない
  • 壁細胞はガストリン・ヒスタミン(H₂受容体)・アセチルコリン(迷走神経)の3つの刺激で塩酸分泌が促進される
  • 分泌部位(幽門部G細胞)と作用部位(壁細胞など)を混同しない
  • 重要用語: ガストリン、G細胞、壁細胞、主細胞、ペプシノゲン を正確に理解しておくこと。
比較表
胃腺の細胞・組織分泌物・働きガストリンの作用
壁細胞塩酸(HCl)、内因子促進(主要な作用)
主細胞ペプシノゲン促進(副次的)
粘液細胞(副細胞)粘液(ムチン)による粘膜保護作用部位としては挙げられない
平滑筋細胞胃の運動(混和・送出)促進(副次的)
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題30|ガストリンの胃に対する作用部位はどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題30|ガストリンの胃に対する作用部位はどれか。
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