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理由で解く 臨床医学各論

Q0939 循環器疾患

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題70
問題
心筋梗塞について正しいのはどれか。
選択肢
1 血清GPT上昇
2 ニトログリセリンが有効
3 白血球減少
4 心電図異常Q波
解答
正解4(心電図異常Q波)
解説
✗ 1. 誤り
血清GPT上昇
GPT(ALT)は主に肝臓に多く含まれる酵素であり、肝障害の指標として用いられる。心筋梗塞で上昇する酵素はGOT(AST)、CK(特にCK-MB)、LDH、トロポニンT、ミオグロビンなどであり、GPT(ALT)は心筋特異性が低く、心筋梗塞の診断には有用でない。
✗ 2. 誤り
ニトログリセリンが有効
ニトログリセリンは冠動脈を拡張し心臓への前負荷を軽減する薬剤であるが、心筋梗塞では冠動脈が完全閉塞し心筋壊死が生じているため、ニトログリセリンでは胸痛は改善しない。ニトログリセリンが有効なのは狭心症であり、心筋梗塞との重要な鑑別点となる。
✗ 3. 誤り
白血球減少
心筋梗塞では心筋壊死に対する炎症反応として白血球は増加(白血球増多)する。白血球減少ではなく増加が正しい所見である。発症後数時間以内に上昇し、数日で正常化する。
✓ 4. 正しい
心電図異常Q波
心筋梗塞では心筋壊死により心電図上に異常Q波が出現する。異常Q波は貫壁性心筋梗塞の特徴的な所見であり、壊死部位に対応する誘導に出現する。心電図変化の経過はST上昇→T波陰性化→異常Q波→冠性T波の順で出現する。異常Q波は梗塞の治癒後も残存することが多い。
ポイント
  • 心筋梗塞の心電図変化の時間経過を覚える:ST上昇(超急性期)→T波陰性化→異常Q波(数日以降)→冠性T波。異常Q波は心筋壊死を示す確定的所見。
  • GPT(ALT)は肝特異的酵素であり心筋梗塞では上昇しない。GOT(AST)は心筋にも含まれるため上昇する。GOTとGPTを混同しないこと。
  • 心筋梗塞では白血球は増加(増多)であり、減少ではない。心筋壊死に対する炎症反応として出現する。
  • 重要用語: 異常Q波, 心電図変化, GOT(AST), GPT(ALT), ニトログリセリン無効 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査項目 狭心症 心筋梗塞
心筋逸脱酵素(CK, GOT) 正常 上昇
心電図 発作時ST低下 ST上昇・異常Q波
ニトログリセリン 有効 無効
白血球 正常 増加
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題70|心筋梗塞について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題70|心筋梗塞について正しいのはどれか。
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