学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ B. 冠動脈疾患 / Q0935

理由で解く 臨床医学各論

Q0935 循環器疾患

出典:鍼灸 第2回(1994) 問題71
問題
狭心症で異常を示さない検査はどれか。
選択肢
1 安静時心電図
2 運動負荷心電図
3 冠状動脈造影
4 血中GOT
解答
正解4(血中GOT)
解説
✗ 1.
安静時心電図
✗ 正しい。狭心症では発作時の安静時心電図で心内膜下虚血によるST低下やT波変化などの虚血性変化が認められることがある。ただし、発作の間欠期には正常であることも多いため、1回の記録だけでは異常が検出されないこともある。冠攣縮性(異型)狭心症の発作時にはST上昇がみられる。
✗ 2.
運動負荷心電図
✗ 正しい。運動負荷心電図は狭心症の診断に最も有用な非侵襲的検査の一つである。運動負荷により心筋酸素需要を増大させ、冠動脈狭窄がある場合にST低下などの虚血性変化や不整脈の出現を誘発して診断する。安静時心電図では検出できない虚血を顕在化させることが目的である。
✗ 3.
冠状動脈造影
✗ 正しい。冠状動脈造影は冠動脈の狭窄部位と程度を直接描出する最も確実な確定診断法である。血管の断面積が75%以上狭窄している部位を同定でき、経皮的冠動脈形成術(PTCA)や冠動脈バイパス術(CABG)などの治療方針の決定にも不可欠な検査である。
✓ 4. 誤り
血中GOT
狭心症は一過性の心筋虚血であり、心筋細胞の壊死は生じない。したがって、心筋細胞内の酵素であるGOT(AST)は血中に逸脱せず、正常値を示す。GOT上昇は心筋梗塞(心筋壊死)の所見であり、狭心症との重要な鑑別点となる。CK、LDH、トロポニンTなどの心筋逸脱酵素も狭心症では正常である。
ポイント
  • 狭心症と心筋梗塞の最大の違いは「心筋壊死の有無」である。狭心症は一過性の虚血で壊死なし→心筋逸脱酵素(GOT, CK, LDH, トロポニン)は正常。心筋梗塞は壊死あり→心筋逸脱酵素が上昇。
  • 狭心症の診断に有用な検査は心電図(安静時・負荷時)と冠動脈造影であり、血液検査(酵素)は異常を示さない。
  • 冠動脈造影は狭窄部位を確認する最も確実な方法であり、最近はマルチスライスCTによるCT検査でも冠動脈所見を調べることができる。
  • 重要用語: GOT(AST), 心筋逸脱酵素, 心筋壊死, 運動負荷心電図, 冠動脈造影 を正確に理解しておくこと。
比較表
検査 狭心症での所見 心筋梗塞での所見
安静時心電図 発作時ST低下(間欠期は正常) ST上昇・異常Q波・冠性T波
運動負荷心電図 ST低下・不整脈誘発 (急性期は禁忌)
冠動脈造影 狭窄部位の描出 閉塞部位の描出
血中GOT(AST) 正常 上昇
解説画像
鍼灸 第2回(1994) 問題71|狭心症で異常を示さない検査はどれか。 解説図
鍼灸 第2回(1994) 問題71|狭心症で異常を示さない検査はどれか。
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