学習トップ理由で解く 臨床医学各論第5章 ▸ A. 原発性糸球体腎炎 / Q0391

理由で解く 臨床医学各論

Q0391 腎・泌尿器疾患

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題76
問題
「50歳の男性。主訴は下肢の浮腫。血液検査は総蛋白5.2g/dl、アルブミン2.5g/dl、総コレステロール280mg/dl。尿検査は尿糖3+、尿蛋白4+。」浮腫の発生機序で最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 静水圧の上昇
2 血漿膠質浸透圧の低下
3 血管透過性亢進
4 リンパ液のうっ滞
解答
正解2(血漿膠質浸透圧の低下)
解説
✗ 1. 誤り
静水圧の上昇
静水圧の上昇は心不全やうっ血性静脈疾患による浮腫の機序である。心拍出量低下や静脈還流障害により血管内圧が上昇し、水分が組織間隙へ移動する。本症例の低アルブミン血症による浮腫の主な原因ではない。
✓ 2. 正しい
血漿膠質浸透圧の低下
血漿膠質浸透圧の低下が本症例の浮腫の主な機序である。大量の蛋白尿(4+)により血中アルブミンが2.5g/dlと著明に低下している。アルブミンは血漿膠質浸透圧を維持する最も重要な蛋白であり、その低下により血管内から組織間隙へ水分が移動し、全身性浮腫が生じる。これはネフローゼ症候群の典型的な病態である。
✗ 3. 誤り
血管透過性亢進
血管透過性亢進は炎症やアレルギー反応(蕁麻疹、血管性浮腫など)、熱傷などによる浮腫の機序である。炎症性サイトカインやヒスタミンなどにより血管内皮が傷害され、血漿蛋白が血管外へ漏出する。本症例のネフローゼ症候群の主な浮腫機序ではない。
✗ 4. 誤り
リンパ液のうっ滞
リンパ液のうっ滞はリンパ浮腫の原因である。リンパ管の閉塞や機能不全により、組織間液がリンパ系を介して静脈系へ還流できず、組織に貯留する。癌のリンパ節郭清後や糸状虫症などでみられる。ネフローゼ症候群の浮腫機序とは異なる。
ポイント
  • 本症例はネフローゼ症候群であり、浮腫の発生機序は血漿膠質浸透圧の低下である。大量蛋白尿→低アルブミン血症→膠質浸透圧低下→浮腫の病態連鎖を理解する。
  • 浮腫の機序を4つに分類する:静水圧上昇(心不全)、膠質浸透圧低下(ネフローゼ、肝硬変、低栄養)、血管透過性亢進(炎症、アレルギー)、リンパうっ滞(リンパ浮腫)。
  • 本症例の診断:低アルブミン血症(2.5g/dl)、高コレステロール血症(280mg/dl)、大量蛋白尿(4+)、浮腫から糖尿病性腎症によるネフローゼ症候群が疑われる(尿糖3+から糖尿病合併)。
  • 重要用語: ネフローゼ症候群、血漿膠質浸透圧低下、低アルブミン血症、浮腫の機序 を正確に理解しておくこと。
比較表
浮腫の機序 代表疾患 病態
静水圧上昇 心不全、深部静脈血栓症 血管内圧上昇→水分漏出
膠質浸透圧低下 ネフローゼ症候群、肝硬変 低アルブミン→水分漏出
血管透過性亢進 炎症、アレルギー、熱傷 血管内皮障害→蛋白漏出
リンパうっ滞 リンパ節郭清後、糸状虫症 リンパ還流障害→水分貯留
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題76|「50歳の男性。主訴は下肢の浮腫。血液検査は総蛋白5.2g/dl、アルブミン2.5g/dl、総コレステロール280mg/dl。尿検査は尿糖3+、尿蛋白4+。」浮腫の発生機序で最も考えられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題76|「50歳の男性。主訴は下肢の浮腫。血液検査は総蛋白5.2g/dl、アルブミン2.5g/dl、総コレステロール280mg/dl。尿検査は尿糖3+、尿蛋白4+。」浮腫の発生機序で最も考えられるのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手