学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ D. その他の呼吸器疾患 / Q0373

理由で解く 臨床医学各論

Q0373 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題90
問題
次の文で示す症例について、問いに答えよ。「18歳の男性。背が高く痩せている。突然、右胸の痛みと息切れを感じた。」血圧が下がり息切れが増した。最も適切な対応はどれか。
選択肢
1 経過観察
2 鎮痛剤の投与
3 生理食塩水点滴
4 胸腔ドレナージ
解答
正解4(胸腔ドレナージ)
解説
✗ 1. 誤り
経過観察
血圧低下と呼吸困難の増悪を伴う気胸に対して経過観察は危険である。緊張性気胸が疑われる状態であり、放置すると縦隔偏位、静脈還流障害、心拍出量低下からショック・心停止に至る可能性がある。速やかに脱気処置が必要である。
✗ 2. 誤り
鎮痛剤の投与
鎮痛剤の投与は胸痛に対する対症療法にすぎず、血圧低下を伴う気胸の根本的な対応とはならない。鎮痛剤で疼痛を緩和しても胸腔内の空気貯留は解消されず、状態は悪化する一方である。
✗ 3. 誤り
生理食塩水点滴
生理食塩水点滴は循環血液量の補充として補助的に行うことはあるが、気胸の原因治療ではない。胸腔内に貯留した空気が縦隔を圧迫している状態では、輸液のみでは血圧を維持できず、胸腔ドレナージが最優先される。
✓ 4. 正しい
胸腔ドレナージ
自然気胸の経過中に血圧低下と呼吸困難の増悪がみられる場合、緊張性気胸への進展が疑われる。緊張性気胸は胸腔内に空気が一方弁的に貯留し続けて胸腔内圧が上昇し、縦隔を健側に圧排してショック状態に至る緊急病態である。直ちに胸腔ドレナージ(胸腔穿刺・脱気)を行い、胸腔内の過剰な空気を除去する必要がある。一刻を争う処置であり、これが最も適切な対応である。
ポイント
  • 気胸で血圧低下と呼吸困難増悪がみられたら緊張性気胸を疑い、直ちに胸腔ドレナージ(脱気)を行う
  • 緊張性気胸は胸腔内に空気が一方弁的に貯留し、縦隔偏位からショック・心停止に至る緊急病態である
  • 鎮痛剤や輸液のみでは根本的治療にならず、経過観察も禁忌である
  • 重要用語: 緊張性気胸, 胸腔ドレナージ, 縦隔偏位, ショック, 緊急脱気 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題90|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「18歳の男性。背が高く痩せている。突然、右胸の痛みと息切れを感じた。」血圧が下がり息切れが増した。最も適切な対応はどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題90|次の文で示す症例について、問いに答えよ。「18歳の男性。背が高く痩せている。突然、右胸の痛みと息切れを感じた。」血圧が下がり息切れが増した。最も適切な対応はどれか。
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