学習トップ理由で解く 理学療法士第13章 ▸ 実地 / QP57A020

理由で解く 理学療法士

QP57A020 地域理学療法学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午前 問20
問題
75歳の男性。3年前にParkinson病を発症。Hoehn&Yahrの重症度分類ステージIII。3か月前からトイレ前で小刻み歩行を生じるほか、歩行や立ち座りが不安定となり、屋内移動で妻の介助が必要となった。現在、妻とマンションで2人暮らしである。自宅の住環境整備で適切でないのはどれか。
選択肢
1 ベッドに介助バーを設置する。
2 居室の出入り口を開き戸にする。
3 脱衣場と浴室の段差を解消する。
4 寝室からトイレの廊下に手すりを設置する。
5 トイレ前の廊下にはしご状の目印をつける。
解答
正解2(居室の出入り口を開き戸にする。)
解説

Parkinson病は方向転換や後方への一歩でバランスを崩しやすく、すくみ足がある。扉は身体を後退させる必要のある開き戸より引き戸が安全。視覚的手がかり(床の目印)はすくみ足を軽減する。

Parkinson病では姿勢反射障害(ステージIII)とすくみ足があり、狭い場所での方向転換や後方への重心移動でバランスを崩しやすい。開き戸は扉を手前に引く際に身体を後退させる動作が必要で、後方バランスの弱い患者には転倒リスクが高いため不適切であり、引き戸への変更が望ましい。一方、介助バー・手すりの設置や段差解消は転倒予防に有効で適切。トイレ前の床に横線(はしご状)の目印をつけるのは、すくみ足に対する視覚的手がかりとして歩行の再開を助ける有効な工夫であり適切である。

✗ 1. 正しい
ベッドに介助バーを設置する。
起き上がり・立ち上がりの支持となり転倒予防に有効で適切(誤=適切)
✓ 2. 誤り
居室の出入り口を開き戸にする。
扉を引く際に後退動作が必要でバランスを崩しやすく不適切、引き戸が望ましい(正=適切でない)
✗ 3. 正しい
脱衣場と浴室の段差を解消する。
つまずき・すくみ足による転倒予防に有効で適切(誤=適切)
✗ 4. 正しい
寝室からトイレの廊下に手すりを設置する。
移動の支持となり夜間トイレ時の転倒予防に有効で適切(誤=適切)
✗ 5. 正しい
トイレ前の廊下にはしご状の目印をつける。
すくみ足に対する視覚的手がかりで歩行を促し適切(誤=適切)
ポイント
  • Parkinson病は後方バランス低下・すくみ足が問題
  • 扉は開き戸より引き戸が安全
  • 床の横線(視覚的手がかり)はすくみ足を軽減
  • 手すり・介助バー・段差解消は転倒予防に有効
比較表
Parkinson病のすくみ足への手がかり(cue)
種類
視覚的手がかり床の横線・はしご状の目印をまたぐ
聴覚的手がかりメトロノーム・号令に合わせて歩く
体性感覚的手がかり重心移動・足踏みからの開始
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