学習トップ理由で解く 理学療法士第3章 ▸ 一般 / QP56A070

理由で解く 理学療法士

QP56A070 運動学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午前 問70
問題
筋の作用で正しいのはどれか。
選択肢
1 内側翼突筋は両側が同時に作用すると下顎骨を後ろに引く。
2 咬筋は片側だけが作用すると下顎骨を対側に移動させる。
3 オトガイ横筋は下唇を突き出し小さなくぼみを作る。
4 大頬骨筋は口角を引き上げる。
5 皺眉筋は眉毛を挙上する。
解答
正解4(大頬骨筋は口角を引き上げる。)
解説

大頬骨筋は口角を上外側に引き上げる表情筋(笑いの筋)。下顎の前突は外側翼突筋の両側同時作用による。

咀嚼筋と表情筋の作用を正確に区別する問題。大頬骨筋(zygomaticus major)は頬骨から口角に走り、収縮すると口角を上外方に引き上げる笑いの表情を作る筋で、選択肢4が正しい。下顎骨の前突(前方突出)は外側翼突筋の両側同時作用によるもので、内側翼突筋は主に下顎を挙上する(咀嚼)。咬筋も下顎を挙上する閉口筋で、下顎を側方へ動かす作用は主に翼突筋群が担う。皺眉筋(corrugator supercilii)は眉を内下方に引き寄せ眉間に縦じわを作る筋で、挙上させない。したがって正しいのは選択肢4。

✗ 1. 誤り
内側翼突筋は両側が同時に作用すると下顎骨を後ろに引く。
下顎の前突は主に外側翼突筋の両側作用。内側翼突筋は主に挙上(閉口)
✗ 2. 誤り
咬筋は片側だけが作用すると下顎骨を対側に移動させる。
咬筋は下顎を挙上する閉口筋。側方運動は主に翼突筋群が担う
✗ 3. 誤り
オトガイ横筋は下唇を突き出し小さなくぼみを作る。
下唇の突き出しとオトガイ部のしわ(えくぼ様)を作るのはオトガイ筋(mentalis)の作用
✓ 4. 正しい
大頬骨筋は口角を引き上げる。
頬骨から口角へ走り、口角を上外方へ引き上げる笑いの表情筋
✗ 5. 誤り
皺眉筋は眉毛を挙上する。
皺眉筋は眉を内下方に引き眉間に縦じわを作る。挙上はしない
本問は、厚生労働省が「選択肢において正解を得ることが困難なため」として採点対象から除外した問題です。原問では、正答とされる4のほかに選択肢2「咬筋は片側だけが作用すると下顎骨を同側に移動させる」も(側方運動では作業側=同側の咬筋が働くため)正しく、さらに選択肢1も内側翼突筋が下顎の前突に関与することから完全な誤りとは言い切れず、正答が複数生じていました。そこで本アプリでは演習として成立させるため、選択肢1を「…下顎骨を前に突き出す。」→「…下顎骨を後ろに引く。」に、選択肢2を「…下顎骨を同側に移動させる。」→「…下顎骨を対側に移動させる。」に変更しています(設問文と選択肢3・4・5は原問のままです)。この改変により1・2はいずれも方向が逆の明確な誤りとなり、正答は4「大頬骨筋は口角を引き上げる」の1つに定まります。
ポイント
  • 大頬骨筋=口角を上外方に引き上げる(笑い)
  • 下顎の前突=外側翼突筋の両側同時作用
  • 皺眉筋=眉を内下方に引き眉間に縦じわ
比較表
咀嚼筋・表情筋の主な作用
主な作用
咬筋下顎の挙上(閉口)
内側翼突筋下顎の挙上(閉口)
外側翼突筋下顎の前突・開口(両側)、側方運動
大頬骨筋口角を上外方に引き上げる
皺眉筋眉を内下方に引き眉間に縦じわ
オトガイ筋下唇の突き出し・オトガイのしわ
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