
この図の解説
この図は、間脳の底部をつくる小さな領域「視床下部」が担う7つの働きを一覧にしたものである。左列の見出しと右列の説明をセットで押さえたい。注目すべきは、視床下部が2つの「最高中枢」を兼ねる点である。①では脳幹の呼吸中枢・循環中枢などへ軸索を投射して自律神経系を上位から支配し、②では内分泌系の中枢器官である下垂体を上位から支配する。③食物摂取(摂食中枢と満腹中枢)、④恒常性の維持(体温・pH・浸透圧のセンサー)、⑤性行動・生殖(性ホルモン受容体)、⑥生体リズム(視交叉上核と松果体メラトニン)、⑦本能行動・情動(大脳辺縁系との結合)と、いずれも生命維持に直結する。視床下部は「自律機能の統合中枢」だと押さえると全体が見通せる。
学習の要点
- 視床下部は「自律神経系の最高中枢」であると同時に「内分泌系の最高中枢」でもある二重の司令塔。自律は脳幹・脊髄側角へ、内分泌は下垂体へ指令を下ろす。
- 覚え方のコツ: 「自律・内分泌・食・体温・性・リズム・情動」の7語で丸暗記。食物摂取は「摂食(空腹)中枢」と「満腹中枢」がペアである点を必ずセットで。
- 関連知識: ホメオスタシスのセンサーは体温・pH・浸透圧。生体リズムを刻むのは視交叉上核で、交感神経を介して松果体のメラトニン分泌を調節する。
- よくある間違い: 視床(感覚の中継点)と視床下部(自律機能の統合中枢)を混同しやすい。下垂体を支配するのは視床ではなく視床下部。
- 臨床応用: 視床下部障害では体温調節障害、摂食異常(過食・拒食)、尿崩症、性腺機能低下、睡眠覚醒リズム障害など多彩な症状が現れる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
視床下部には食物摂取を促す( )中枢と、その停止を促す満腹中枢がある。空欄に入る語を答えよ。
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答え: 摂食
視床下部は内分泌系の最高中枢として、内分泌系の中枢器官である( )を上位より支配する。空欄に入る語を答えよ。
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答え: 下垂体
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。