学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ R. 頭頸部の脈管・末梢神経 / Q1092

理由で解く 解剖学

Q1092 運動器系

出典:あマ指 第20回(2012) 問題22
問題
斜角筋隙を通過するのはどれか。
選択肢
1 横隔神経
2 腕神経叢
3 内頸動脈
4 鎖骨下静脈
解答
正解2(腕神経叢)
解説
✗ 1. 誤り
横隔神経
横隔神経は前斜角筋の前面を下行する。斜角筋隙(前斜角筋と中斜角筋の間)を通るのではなく、前斜角筋の浅層(前面)を通過するため隙の内部は通らない。
✓ 2. 正しい
腕神経叢
斜角筋隙は前斜角筋と中斜角筋の間にできる隙間で、第1肋骨上面に向かう通路である。ここを腕神経叢(C5〜T1の神経根)と鎖骨下動脈が通過する。腕神経叢は斜角筋隙を出た後、鎖骨と第1肋骨の間(肋鎖間隙)を通って腋窩に達する。鎖骨下静脈は前斜角筋の前方を通り、斜角筋隙ではなく前斜角筋の前面を通過するため、動脈と静脈で通り道が異なる。この通路は胸郭出口症候群(TOS)の圧迫好発部位として臨床上重要である。
✗ 3. 誤り
内頸動脈
内頸動脈は頸動脈鞘(胸鎖乳突筋の深部)内を総頸動脈から甲状軟骨上縁で分岐した後、頸部では枝を出さずに頸動脈管に入る。斜角筋隙とは解剖学的領域が異なり通過しない。
✗ 4. 誤り
鎖骨下静脈
鎖骨下静脈は前斜角筋の前面(浅層)を通り、斜角筋隙には入らない。前斜角筋が鎖骨下動脈と鎖骨下静脈を分ける境界となり、「動脈は後方(隙を通る)、静脈は前方(前を通る)」という配置を覚える。
ポイント
  • 斜角筋隙(前・中斜角筋の間)を通るのは腕神経叢と鎖骨下動脈。鎖骨下静脈と横隔神経は前斜角筋の前面を通る。
  • 覚え方のコツ: 「前斜角筋が壁、後ろ(隙内)に動脈と神経、前に静脈と横隔神経」。動静脈で通路が分かれる点が鍵。
  • 関連知識: 腕神経叢はC5〜T1の前枝からなり、斜角筋隙で神経根が3つの神経幹(上・中・下)を形成する。
  • よくある間違い: 鎖骨下静脈を斜角筋隙と誤認する/横隔神経も隙を通ると誤解する(実際は前面)。
  • 臨床応用: 胸郭出口症候群(斜角筋症候群)では斜角筋隙で腕神経叢と鎖骨下動脈が圧迫され、上肢のしびれ・脱力・阻血症状を呈する。
比較表
構造 通路
腕神経叢 斜角筋隙(前・中斜角筋間)
鎖骨下動脈 斜角筋隙(前・中斜角筋間)
鎖骨下静脈 前斜角筋の前面
横隔神経 前斜角筋の前面(表面を下行)
総頸動脈・内頸動脈 頸動脈鞘内(斜角筋よりはるかに内側)
解説画像
あマ指 第20回(2012) 問題22|斜角筋隙を通過するのはどれか。 解説図
あマ指 第20回(2012) 問題22|斜角筋隙を通過するのはどれか。
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