学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ Q. 頭頸部の体表・局所解剖 / Q1068

理由で解く 解剖学

Q1068 運動器系

出典:あマ指 第8回(2000) 問題38
問題
斜角筋隙の構成に関与しないのはどれか。
選択肢
1 前斜角筋
2 中斜角筋
3 後斜角筋
4 第1 肋骨
解答
正解3(後斜角筋)
解説
✗ 1.
前斜角筋
✗ 正しい。 前斜角筋は頸椎横突起前結節から起こり第1肋骨の斜角筋結節に停止する。斜角筋隙の前方の境界を構成し、鎖骨下動脈と腕神経叢が前後斜角筋間隙を出る際の前壁となる。
✗ 2.
中斜角筋
✗ 正しい。 中斜角筋は頸椎横突起後結節から起こり第1肋骨(斜角筋結節より後方)に停止する。斜角筋隙の後方の境界を構成し、腕神経叢と鎖骨下動脈が通る隙間の後壁となる。
✓ 3. 誤り
後斜角筋
後斜角筋は頸椎下位(C4〜6)の横突起後結節から起こり第2肋骨に停止する筋で、斜角筋隙(前・中斜角筋と第1肋骨で囲まれる隙間)の境界には関与しない。斜角筋隙の三要素は「前斜角筋+中斜角筋+第1肋骨」であり、この隙間を腕神経叢(C5〜T1の前枝)と鎖骨下動脈が通過する(鎖骨下静脈は前斜角筋の前方を通るため斜角筋隙を通らない点も要注意)。後斜角筋は斜角筋群のうち最後方にあり、肋骨挙上と頸部側屈に働くが、隙間の境界とは別の平面に位置している。
✗ 4.
第1 肋骨
✗ 正しい。 第1肋骨は斜角筋隙の下方境界(床)を形成する。前斜角筋と中斜角筋が第1肋骨に停止することで、前後の斜角筋と第1肋骨の3者で三角形状の隙間ができ、ここを腕神経叢と鎖骨下動脈が通過して上肢へ向かう。
ポイント
  • 斜角筋隙の三辺は「前斜角筋+中斜角筋+第1肋骨」。腕神経叢と鎖骨下動脈が通る。後斜角筋は無関係で第2肋骨に停止。
  • 覚え方のコツ: 「斜角筋隙=前・中斜角筋と第1肋骨の三角」「通るもの:叢(腕神経叢)と動(鎖骨下動脈)」。静脈は前斜角筋の前側で通らない。
  • 関連知識: 前斜角筋の前面を横隔神経・頸横動脈が下行。斜角筋隙の狭窄は胸郭出口症候群の一因となる。
  • よくある間違い: 後斜角筋を隙間の一員と誤認/鎖骨下静脈も斜角筋隙を通ると思い込み(実際は前方)。
  • 臨床応用: 斜角筋症候群(前・中斜角筋の緊張や肋頸症候群)では腕神経叢と鎖骨下動脈が圧迫され上肢のしびれ・循環障害が生じる。胸郭出口症候群の病型の一つ。
比較表
構造 位置
前斜角筋 斜角筋隙の前壁(第1肋骨斜角筋結節に停止)
中斜角筋 斜角筋隙の後壁(第1肋骨、結節後方)
第1肋骨 斜角筋隙の床
後斜角筋 第2肋骨停止(斜角筋隙の構成外)
腕神経叢・鎖骨下動脈 斜角筋隙を通過
鎖骨下静脈 前斜角筋の前方(隙間外)
解説画像
あマ指 第8回(2000) 問題38|斜角筋隙の構成に関与しないのはどれか。 解説図
あマ指 第8回(2000) 問題38|斜角筋隙の構成に関与しないのはどれか。
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