学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ A. 骨格系総論 / Q0761

理由で解く 解剖学

Q0761 運動器系

出典:鍼灸 第12回(2004) 問題17
問題
ラセン関節はどれか。
選択肢
1 腕尺関節
2 距腿関節
3 肩関節
4 仙腸関節
解答
正解2(距腿関節)
解説
✗ 1. 誤り
腕尺関節
腕尺関節は上腕骨滑車と尺骨の滑車切痕が作る関節で、蝶番関節(ギンゲリモス)に分類される。円柱状の関節頭が運動軸に対して垂直に動くため、純粋な屈曲・伸展の1軸性運動のみを行い、らせん運動は生じない。指節間関節と並ぶ蝶番関節の代表例である。
✓ 2. 正しい
距腿関節
距腿関節は脛骨下端・内果・腓骨外果が作る「ほぞ穴」に距骨滑車がはまり込む関節で、蝶番関節の変形である「ラセン関節」に分類される。関節頭である距骨滑車の軸がやや斜めに傾くため、背屈・底屈の1軸運動に伴ってらせん階段状に軸方向のわずかなずれが生じる。純粋な蝶番関節が水平軸のみの屈伸を行うのに対し、ラセン関節では運動軸が斜行し、回転と軸方向移動が同時に起こる。運動性は1軸性であるが、この「斜行軸+らせん」が鑑別ポイントで、足関節捻挫(内反捻挫)で前距腓靱帯損傷を生じやすい臨床的意義もある。
✗ 3. 誤り
肩関節
肩関節(肩甲上腕関節)は多軸性の球関節で、3軸回りの自由な運動(屈曲・伸展、外転・内転、内旋・外旋、分回し)が可能である。関節頭が球状でラセン軸を持たないため、ラセン関節ではない。人体で最も可動域が広い関節の一つで、脱臼しやすい。
✗ 4. 誤り
仙腸関節
仙腸関節は仙骨と寛骨(腸骨)の耳状面の間で構成される関節で、関節面がほぼ平面で靱帯(前・後仙腸靱帯、骨間仙腸靱帯)により強く固定されるため、可動性がほとんどない「半関節」に分類される。運動軸をもたずラセン関節ではない。骨盤の安定性に寄与する。
ポイント
  • ラセン関節は蝶番関節の変形で、運動軸が斜行するためらせん運動を生じる。代表例は距腿関節。
  • 覚え方のコツ: 「距腿=らせん=足首の回転性」。腕尺関節(純蝶番)と対比してセットで覚える。
  • 関連知識: 1軸性関節には蝶番関節・ラセン関節・車軸関節の3種がある(車軸は環状運動)。
  • よくある間違い: 距腿関節を単純な蝶番関節と誤解する/ラセン関節を多軸関節と誤る。
  • 臨床応用: 距腿関節は内反捻挫が多発し、外果前方の前距腓靱帯が最も損傷されやすい。
比較表
関節の種類 運動軸 代表例
蝶番関節 1軸(水平) 腕尺関節・指節間関節
ラセン関節 1軸(斜行) 距腿関節
車軸関節 1軸(長軸) 上橈尺関節・正中環軸関節
球関節 多軸 肩関節
臼状関節 多軸 股関節
解説画像
鍼灸 第12回(2004) 問題17|ラセン関節はどれか。 解説図
鍼灸 第12回(2004) 問題17|ラセン関節はどれか。
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