学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ E. 胃 / Q0284

理由で解く 解剖学

Q0284 消化器系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題24
問題
胃について正しい記述はどれか。
選択肢
1 外表面は腹膜で覆われる。
2 幽門は食道に続く。
3 内側の弯曲部を大弯という。
4 下腸間膜動脈によって栄養される。
解答
正解1(外表面は腹膜で覆われる。)
解説
✓ 1. 正しい
外表面は腹膜で覆われる。
胃は腹膜内臓器として外表面のほぼ全面が漿膜(腹膜)で覆われ、小弯では小網、大弯では大網が連続する。小網は肝胃間膜、大網はエプロン状に横行結腸前面を垂れ下がる二重腹膜で、それぞれ胃への血管・神経の通り道でもある。腹膜に包まれているため可動性があり、位置変化を起こしやすい。この漿膜覆われは胃の外科解剖の基本で、腹腔鏡手術でも最初に確認する構造である。
✗ 2. 誤り
幽門は食道に続く。
幽門は胃の出口で十二指腸に続く部位。食道に続くのは胃の入口である噴門で、上下の方向関係を取り違えてはならない。胃の長軸は噴門→胃底→胃体→幽門の順。
✗ 3. 誤り
内側の弯曲部を大弯という。
胃の内側(右上方)の短く凹んだ弯曲は小弯、外側(左下方)の長く凸に弯曲する側が大弯である。大弯・小弯は胃潰瘍や胃癌の好発部位記述でも区別が必須の用語である。
✗ 4. 誤り
下腸間膜動脈によって栄養される。
胃を栄養するのは腹腔動脈の3分枝から派生する左胃動脈・右胃動脈・左右胃大網動脈・短胃動脈である。下腸間膜動脈は下行結腸から直腸上部を支配する動脈で、胃とはまったく関係しない。
ポイント
  • 胃は腹膜内臓器で外表面は漿膜に覆われ、小網(小弯)・大網(大弯)に連続する。
  • 覚え方のコツ: 「入口=噴門(食道へ)、出口=幽門(十二指腸へ)」と方向で整理。漢字の「噴」は食道側から噴き込むイメージ。
  • 関連知識: 胃の動脈は小弯に左胃・右胃動脈、大弯に左胃大網・右胃大網動脈、胃底に短胃動脈が吻合輪を形成する。静脈は門脈系に流入。
  • よくある間違い: 大弯と小弯を内/外で迷う。胃の形はJ字で、小弯は右上凹側、大弯は左下凸側と覚える。
  • 臨床応用: 胃癌は小弯側・幽門前庭部に好発し、リンパ節転移は左胃動脈・総肝動脈・脾動脈根部へ波及する。胃手術では大網・小網の血行解剖が切除範囲を決める。
比較表
部位 連続先 付着する腹膜
噴門 食道 食道胃接合部
胃底 左横隔膜下 大網・胃脾間膜
胃体 小弯/大弯 小網/大網
幽門 十二指腸 小網下縁
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題24|胃について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題24|胃について正しい記述はどれか。
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