学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0157

理由で解く 解剖学

Q0157 循環器系

出典:あマ指 第19回(2011) 問題18
問題
体表区分とその区分内を通る血管との組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 顎下三角 ― 顔面動脈
2 後頸三角 ― 内頸静脈
3 橈骨小窩 ― 尺骨動脈
4 大腿三角 ― 小伏在静脈
解答
正解1(顎下三角 ― 顔面動脈)
解説
✓ 1. 正しい
顎下三角 ― 顔面動脈
顎下三角は下顎底と顎二腹筋の前腹・後腹で囲まれる三角で、顎下腺を主内容とする。顔面動脈は外頸動脈から分岐し、顎下三角内で顎下腺の深部を通り、下顎の前縁を乗り越えて顔面へ上行する。下顎縁のこの通過部は脈拍の触知点として知られ、顔面動脈と顎下三角の関係は定番の組合せである。
✗ 2. 誤り
後頸三角 ― 内頸静脈
後頸三角は胸鎖乳突筋の後縁、僧帽筋の前縁、鎖骨上縁で囲まれる領域で、内容物は外頸静脈・副神経・腕神経叢・鎖骨下動脈などである。内頸静脈は胸鎖乳突筋の深部で総頸動脈とともに頸動脈鞘に包まれ、前頸三角側(胸鎖乳突筋の内側深部)を下行するため、後頸三角には含まれない。
✗ 3. 誤り
橈骨小窩 ― 尺骨動脈
橈骨小窩(解剖学的嗅ぎタバコ入れ)は手関節背側の親指側にあるくぼみで、長母指外転筋・短母指伸筋腱と長母指伸筋腱に挟まれる。ここを通るのは橈骨動脈であり、尺骨動脈ではない。尺骨動脈は前腕小指側を下行し、ギヨン管を通って手掌へ入る。
✗ 4. 誤り
大腿三角 ― 小伏在静脈
大腿三角(スカルパ三角)は鼠径靱帯・縫工筋内縁・長内転筋内縁で囲まれる領域で、外側から大腿神経・大腿動脈・大腿静脈(NAVの順)と、鼠径部の伏在裂孔で大腿静脈に注ぐ大伏在静脈を含む。小伏在静脈は下腿後面を上行し膝窩静脈に注ぐため、下肢後面を走り大腿三角には入らない。
ポイント
  • 体表区分(三角・窩・小窩)と内容血管は「何と何で囲まれ、中に何が通るか」を3点セットで覚えることで確実に得点できる。
  • 覚え方のコツ: 「大腿三角はNAV(神経・動脈・静脈)」「嗅ぎタバコ入れは橈骨動脈」「顎下三角は顎下腺と顔面動脈」と定型で暗記。
  • 関連知識: 顔面動脈は下顎縁の咬筋前縁で脈拍触知でき、反射神経学・鍼灸実技でも指標になる。橈骨小窩の底には舟状骨があり、ここの圧痛は舟状骨骨折を示唆する。
  • よくある間違い: 後頸三角に内頸静脈を入れてしまう。後頸三角を通るのは皮下の外頸静脈であり、深部の内頸静脈は前頸三角側にあると整理する。
  • 臨床応用: 大腿三角での大腿動脈穿刺は心臓カテーテルや大腿静脈穿刺(中心静脈路)の常用部位。鼠径靱帯の2〜3cm下方、大腿動脈拍動の内側を穿刺する。
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題18|体表区分とその区分内を通る血管との組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題18|体表区分とその区分内を通る血管との組合せで正しいのはどれか。
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