学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ D. 人体の区分と方向 / Q0068

理由で解く 解剖学

Q0068 人体の構成

出典:鍼灸 第7回(1999) 問題17
問題
頸部と胸部との境界線に関与しないのはどれか。
選択肢
1 胸骨上縁
2 鎖骨上縁
3 肩峰
4 第7 頸椎椎体
解答
正解4(第7 頸椎椎体)
解説
✗ 1.
胸骨上縁
✗ 正しい。 胸骨上縁(胸骨柄上縁)の中央には頸切痕があり、体表の頸窩として視認できる。胸骨柄頸切痕を通る水平線は頸胸境界を示し、気管・食道や大血管が胸郭上口を通過する部位の目安にもなる。
✗ 2.
鎖骨上縁
✗ 正しい。 鎖骨上縁は体表から胸鎖関節から肩鎖関節まで触知でき、頸部と胸部(胸郭前方部)の外側境界を形成する。頸部のランドマークを示す要素として臨床的にも用いられる。
✗ 3.
肩峰
✗ 正しい。 肩峰は鎖骨外側端と関節し、体表の肩の頂点を形成する骨性ランドマークである。鎖骨外側端〜肩峰は頸・胸・上肢境界の側方基準として使われ、鎖骨上縁と連続して頸胸境界線に含まれる。
✓ 4. 誤り
第7 頸椎椎体
頸胸境界線の後方基準に用いられるのは第7頸椎(隆椎)の「棘突起」である。椎体ではない。隆椎の長い棘突起は頸部後面で体表から隆起として触知でき、体幹の体表区分の起点となる。椎体は深部に位置し体表からは触れず、境界線として直接用いることはできない。頸胸境界は前方から胸骨柄上縁(頸切痕)→鎖骨上縁→肩峰→第7頸椎棘突起→第1胸椎棘突起を通る水平面で、胸郭上口にほぼ一致する。
ポイント
  • 頸胸境界は胸骨柄上縁(頸切痕)→鎖骨上縁→肩峰→C7棘突起のラインで、胸郭上口にほぼ一致する。用いられるのはC7の「椎体」ではなく「棘突起」である点が最大の注意点。
  • 覚え方のコツ: 「前=胸骨柄、横=鎖骨・肩峰、後=C7棘突起」と三方向で分けて暗記。C7棘突起は頭を前屈すると最も目立つ隆起で「隆椎」の名の由来。
  • 関連知識: 同じ要領で胸腹境界は剣状突起→肋骨弓→第11肋骨先→第12肋骨先→第12胸椎棘突起で、腹部骨盤境界は恥骨結合上縁→鼠径溝→上前腸骨棘→腸骨稜→L5/S1棘突起を通るラインを押さえる。
  • よくある間違い: 「第7頸椎」と聞くと正解と思いがちだが、境界線を規定するのは棘突起(体表触知可)であり椎体(深部)ではない。問題文の「椎体」「棘突起」の語の取り違えに注意。
  • 臨床応用: 胸骨柄の下にある気管分岐部はおよそ胸骨角(第2肋骨水準=T4/T5)、頸切痕から指2横指下が気管分岐部の目安となる。頸部神経ブロックや胸郭出口症候群の診察ではこれらのランドマークを基準にする。
解説画像
鍼灸 第7回(1999) 問題17|頸部と胸部との境界線に関与しないのはどれか。 解説図
鍼灸 第7回(1999) 問題17|頸部と胸部との境界線に関与しないのはどれか。
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