『心房では薄いが心室では厚い』
心房は血液を受け取るところ、心室は血液を送り出すところです。
心房、心室どちらも収縮しますが、血液の行き先を考えます。心房の血液は心室に送られます。心室の血液は肺や全身に送られます。とくに左心室は大動脈を介して全身に血液を送り出す部位なので、最も強い収縮が必要です。だから心筋層も左心室が最も厚くなっています。
『組織学的には横紋を持ち』
これは骨格筋と心筋が横紋筋であるということです。これは大丈夫ですね。
『各筋細胞の境界には介在板がみられ』
心筋細胞どうしのつなぎ目を介在板といいました。ここにはギャップ結合があるのがポイントです。
ギャップ結合はイオンが通過できる小さいトンネル構造となっていて、イオンなどの小分子が通れる構造となっています。イオンが通れるということは、電気的な興奮が伝わるということで、心筋細胞の興奮はギャップ結合を介して、周囲の心筋細胞へと広がっていきます。
『筋の興奮を伝え合う』というのは、このことを行っています。
これにより多数の心筋細胞はあたかもひとつの細胞のように一致して収縮します。これを機能的合胞体といいます。
しかし、心房と心室の間は線維束(線維輪+線維三角)によって区切られていますので、直接興奮はつたわらなくなっています。心房から心室への興奮伝導は房室束によって行われます。